ワイキキ・アップデート:
地球温暖化?
昨年11月下旬、ハワイのオアフ島に2週間滞在した。2年ぶりのワイキキは、クヒオ通りに完成したザ・リッツ・カールトンや、2020年開業を予定する鉄道「ホノルル・レール・トランジット」の高架骨組みを除いては目立って変わっていない。
観光にはもう興味がない私と友人は、「食べ歩き」の旅を楽しむも、ふと気が付くと大変な現実が迫っていたのだ。
ホノルルでは65歳以上で米メディケア・カードがあれば1回1ドルでバスに乗れるが、外国人の私は当局に赴いて月6ドルのシニア・パスを購入。アラモアナセンターに出かけて、スーパーマーケットでハワイならではのフルーツ、バター、ジャムなどを買う。バスに乗って、南側の海辺に開発された新名所のソルト・アット・アワ・カカアコにも行ってみた。ハワイらしいショップやレストランが、モダンなレイアウトの建物に集まる。若者向きだが、ワイキキよりも観光客目当てっぽくないローカルな雰囲気が良い。ハワイ風の家庭料理が人気の、パイオニア・サルーン2号店でのランチにも大満足。
ワイキキは「ツーリスト・トラップ」的な店が気になる。特にカラカウア通りはその感が強い。バスでは、たまたまバンクーバーのピックルボール仲間と一緒になり、ロコモコ専門店のアロハ・テーブルを教えてもらった。日系人発祥というロコモコは、ハンバーグと目玉焼きの上にグレービーがどっさりかかるハワイならではの丼ものでボリューム十分。ハヤシ・オムライスもおすすめだ。この旅いちばんの収穫となった。また、クヒオ通りに新しくできた韓国料理店、ソウル・トーフ・ハウスも良かった。ランチのスンドゥブが海鮮、カレー、タラコ、トマトなど11種類から選べ、ご飯、卵、海苔、おかず付き。24時間かけて毎日煮込んで作る牛骨スープもうまい。そしてサイアム・スクエアは、MSGなし、減塩の注文にも笑顔で応じてくれる、シニアにうれしいタイ料理店。シーサイド通りには、地元産オーガニック食材を使用するカフェ、ヘブンリー・アイランド・ライフスタイルがあり、スモークサーモン入りのエッグベネディクトがおいしかった。
最高気温は27、8度。空も海も真っ青なワイキキでウキウキと過ごす。ところがある日、何気なく宿からアラ・ワイ運河を見下ろして気抜けした。いつ見ても水面が土手の上限から10センチ以内に迫っていて、すでに水があふれ出ているところもある。タクシーの運転手に聞いたところによると、ワイキキの水面の高さは大問題となっており、狭くなるビーチには砂を運んで応急手当てをしているそう。そう言えば、ビーチの端には砂が土手のように積まれていた。地球温暖化の影響らしい危機が目の前に具象化されている。最近、10代の若者たちが世界中でデモをしているが、果たして自分たちには何ができるかと、いろいろ考えさせられた。