今年2月のスーパーボウルでは、あと1ヤード届かず、2連覇を逃してしまったシーホークス。今月13日、セントルイスでのラムズ戦で開幕を迎えました。2年ぶりの優勝を目指す今季、注目の2選手とチームの不安材料をご紹介します。
TE:ジミー・グラム(背番号80)
ニューオーリンズ・セインツとのトレードで獲得した選手で、身長201センチ、体重120キロのサイズに、スピードとパワーを兼ね備えた文字通りの「大物」です。大学ではバスケ選手として活躍。アメフトプレー歴はたった1年ですが、リーグを代表するタイトエンド(TE)に成長しています。TEはパスを受けたり、オフェンスラインと共に敵ディフェンスをブロックして味方選手のプレーを補助する役目。前者を得意とするグラムは、2年連続で2桁のタッチダウンを記録しています。パス重視のセインツとラン重視のシーホークスでは、戦術の違いはありますが、敵ディフェンスにとって1対1では阻止できない厄介者であることに違いはありません。
WR:タイラー・ロケット(背番号16)
今年のドラフト3巡指名で加入したワイドレシーバー(WR)で、主にリターナーとして起用されています。リターナーとは、キックオフ(タッチダウン成功後や前・後半開始時に実施)やパント(3回のダウンで10ヤード獲得できなかった場合、4回目のダウンで実施)で蹴ったボールを受けて走る役目。次の攻撃開始地点を決める重要なプレーですが、大半はあっという間にタックルを受けて終了します。しかし、ロケットはプレシーズン戦でキックオフとパントの両リターンでタッチダウンに成功。新人年からの活躍が期待されています。
オフェンスラインとS:キャム・チャンセラー(背番号31)
先発メンバー5人のうち3人が入れ替わり、1人がポジション変更したオフェンスラインは、今季最大の不安材料です。クォーターバック(QB)の前に並ぶこのラインは、QBを守ったり、走者のスペースを作る役目。QBがタックルされた場合、大半はラインのミスによるものです。ラインが機能しなければ、どんなに有能なQBがいても、苦戦を強いられるだけです。ディフェンスでは、増俸を求めたセーフティ(S)キャム・チャンセラーがチームに合流しないまま、開幕を迎えています。現行契約は2017年度終了まで。通常、シーホークスが交渉に応じるのは契約最終年に入る前ですが、昨季マーション・リンチの契約を特例的に見直してしまったのが、災いしています。故障上がりの選手が多く、これから新たな故障者も出てくれば、リーグ最強のディフェンスといえど窮地に立たされます。
[スポーツウォッチング]