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シニアの一人暮らし

今日本では一人暮らしのシニアが増えてきていると日本のテレビで言っていた。喫茶店や、観光ツアー、宿屋もシングルの客に合わせた商品が増えているそうだ。

canadaRestart_20150325バンクーバーにも一人暮らしのシニアは多い。特にウエストエンドと呼ばれるダウンタウンの西側地域は古くからアパートが密集しているが、2013年5月31日付けバンクーバー・サン紙によれば、この辺りの65歳以上の住人は3人に2人が一人暮らしで、大半が女性だということだ。
私は26 歳になるまでは家族やルームメートと一緒に暮らしていたが、その後はずっと一人暮らし。誰かと一緒に暮らしたいと思ったこともあるが、元来わがままで人の都合に合わせることが嫌だから、やはり一人暮らしの方が向いているし気楽だ。
現在のコンドミニアムに引っ越す時には知人が居ないので不安だったが、入居するとエレベーターで会った隣人に自己紹介するなどして、抵抗なく若いころのアパート生活感覚に戻れた。猫を飼っているので遠出をするときに世話をしてもらおうと、ビル内の他の猫オーナーに掲示板で猫番交換を募ったところ、3組が名乗りをあげてくれ、先日第1 回の集まりを持った。当然猫好きとあって意気投合。こうして、ビル内に連絡し合える知り合いができ、いざという場合にも一安心になった。
気が向いた時に外食できるのも一人暮らしならでは。近所の小さな日本食屋ではすぐに馴染みになり、1日中誰とも話すことのなかった日などはカウンターに座ってシェフやサーバーに話し相手になってもらう。
自分で料理する時の好物はお好み焼き。肉やイカなどの材料をキャベツに混ぜて、焼き上がったものを皿に盛るだけで自分なりに栄養のバランスがとれた(と思う)夕飯となる。これをお盆に乗せ、ラウンジ・チェアーに座って、最近やっと買った40インチの薄型テレビで録画しておいた日本の歌謡番組やドラマを見ながら食べる。午後5 時を過ぎるともう難しいことは何もしたくない。明日の朝やればいい。
「10 年後も同じ生活を楽しむことができるのだろうか? 病気にかかったらどうしよう? 」と、時に不安が頭をもたげることもあるが、かかるかどうかわからない病気を心配するより、今の健康を維持していく方が大切だと気を取り直す。そのためには運動と、体に優しい食事を優先させなければならない。そして物事や他人への感謝の気持ちを持ち、楽観的に人生をとらえることだ。
明日も元気に起きて、「自分が持っているすべての可能性」を出し切りたいと願う私だが、今最大の課題は、早寝早起きである。

[カナダで再出発]

武田 彰
滋賀県生まれの団塊世代。京都産業大学卒業後日本を脱出。ヨーロッパで半年間過ごした後シアトルに。在シアトル日本国総領事館に現地職員として39年間勤務。政治経済や広報文化などの分野で活躍。ワシントン大学で英語文学士号、シアトル大学でESL教師の資格を取得。2013年10月定年退職。趣味はピックルボールと社交ダンス。