「ベーブ・ルース以来の二刀流」として大注目を集めているロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手。投手としては、今季の先発投手中、最速の時速101.3マイルの剛速球を投げ、4勝1敗、防御率3.10。打者としては、試合前の打撃練習で敵チームの選手まで釘付けにする特大柵越えを連発し、6本塁打を含む打率2割8分9厘。原則的に先発登板は週1回で、登板日の前日から翌日までの3日間を除いて打席に立っているため、どちらも総数は少ないながらも、二刀流としてオールスター戦に選出されてもおかしくない成績を挙げています。
そんな中、ショックなニュースが飛び込んできました。今月8日、右肘の内側側副靭帯の損傷により、故障者リストに登録され、少なくとも3週間は投球練習を行わず、打者としても試合に出場しないと発表されたのです。大谷選手は6日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で先発登板したものの、4回まで63球を投げただけで降板。右手中指にまめができたのが原因でしたが、試合後には肘の違和感も訴え、翌日の多血小板血しょう(PRP)療法と幹細胞注射を受け、その翌日の故障者リスト入りとなりました。今月11日からのシアトル3連戦を楽しみにしていた人も多いはず。通常の中6日なら、13日のデーゲームで先発登板予定でしたが、大谷選手はチームの遠征に同行せず、セーフコ・フィールドにも姿は見せませんでした。
エンゼルスは7月3日からもシアトル3連戦が組まれていますが、ちょうど治療を受けてから4週間目。ベストケースでも、投手としては投球練習を再開し始めたばかり。打者としても、チームが試合復帰は本拠地でと配慮すれば、今季最後のシアトル遠征にも同行しない可能性があります。そう考えると、5月4日からの3連戦で大谷選手の活躍ぶりを目にした方は非常にラッキーでした。
7月17日にはワシントンDCでオールスター戦が開催されます。指名打者として候補に挙がり、投手としても監督推薦などでの出場が期待されていた大谷選手も、今回の故障欠場により、たとえ選出されても出場は厳しい模様。また、楽しみにしていた人が多いホームランダービーの参加要請も、なくなったのも同然です。春季キャンプ終了時点では「開幕はマイナーリーグで迎えたほうがいいのでは?」と批判されながらも、開幕後はあっと言わせる活躍を見せてきた選手だけに、今回の故障からも驚くような回復ぶりを見せて欲しいもの。大谷選手の存在により、これまで閉ざされてきた二刀流への扉が開かれつつある今だからこそ、早期復帰を願うばかりです。