2015年を最後に引退していたビーストモードこと、マーション・リンチが現役復帰することになりました。リンチは歴代のシーホークスの選手の中でも人気者の一人。2010年プレーオフのセインツ戦で地震が計測されるほどスタジアムを揺るがせた67ヤードのタッチダウンランが忘れられない人も多いはずです。何人ものタックルを振り払ってエンドゾーンへ突進する姿は印象的でした。
残念ながら、彼が現役復帰するのはシーホークスではなく、出身地のオークランドを本拠地とするレイダース。4月末に契約が決まると、シアトル・タイムス紙に全面広告を掲載し、シーホークスのアレン・オーナーと12番たちへの感謝の言葉を記しました。レイダースは昨季13年ぶりにプレーオフ出場を果たし、上昇気流に乗るチーム。デレク・カー(クォーターバック)とカリル・マック(ディフェンスエンド)のプロ入り4年目コンビの成長のおかげで、今季はスーパーボウルも狙えるチームと見られています。
そのレイダースは3月にラスベガス移転が承認され、今月上旬にストリップ南端にあるマンダレイベイ西側の土地を購入したばかりです。過去にはロサンゼルスへの移転経験もあるチームが再移転するのは、オークランドでのスタジアム建設案がまとまらず、痺れを切らしたため。半世紀以上も前の1966年にオープンしたコロシアムは老朽化が激しく、毎年ロッカールームで下水が逆流したというニュースを耳にします。
ラスベガスのスタジアムが完成するのは早くても2019年で、それまでレイダースは従来通りオークランド・コロシアムで試合を行います。リンチの加入は移転が決まったチームのファン離れを食い止めるのにも一役買いそうです。コロシアムはメジャーリーグのアスレチックスと共用しているため、9月中は野球のダイヤモンドの上でアメフトの試合を行う奇妙な光景が名物でしたが、これもいよいよ見納めとなります。
ラスベガスでは去年6月にNHLチームの誘致が決まったばかり。ゴールデン・ナイツと命名された新チームは今年6月の特別ドラフトで選手を集め、10月に開幕する2017-18年シーズンからリーグ参戦予定です。ホームアイスは去年4月にニューヨーク・ニューヨーク西側にオープンしたT-Mobile。ラスベガスのスポーツといえばボクシングやUFCなど格闘技がメインでしたが、これからは4大プロスポーツの2チームが本拠地を構え、リーグ公式戦を行うことになります。ますますラスベガスへ遊びに行く理由が増えそうです。
[スポーツウォッチング]