もうすっかり春らしくなり、メジャーリーグの開幕が待ち遠しいという方も多いかと思います。毎年この時期は、どのチームのファンも「今年こそは!」と期待に胸を膨らませますが、今年はESPNなどの全国メディアまでマリナーズに大きな期待を寄せているようです。
プレーオフ出場はもとより、地区優勝やア・リーグの優勝候補にまでマリナーズの名を挙げるアナリストもいるのです。確かに昨季は2010年から続いていた負け越しシーズンを断ち切り、あと1勝すればプレーオフ出場権を手にするところまで躍進しました。とはいえ、本当にそこまで期待してしまっていいのか? ちょっと不安になってしまうことも。 ご存知のとおり、マリナーズは投高打低のチームで、投手陣は充実しながらも、長年強打者の不在が続いていました。しかし、この2 年間で打線の補強に巨額を投資。ようやく敵チームの投手が恐れをなす打者が3 人そろうことになりました。2013 年12月には、2 億4,000 万ドル(約242 億円)という球団史上最高金額でロビンソン・カノと10 年契約。去年の12月には生え抜きのカイル・シーガーと1億ドルで7年契約延長。そして、その2 日後には5,700 万ドルの4年契約でネルソン・クルーズを獲得しています。 カノは9 年間ニューヨーク・ヤンキースでプレーし、オールスター戦に6回出場、ワールドシリーズでも優勝経験があるメジャーリーグ屈指の二塁手です。全国的な知名度も抜群。代理人はヒップホップ界の大御所でビヨンセの夫ジェイ・Z というスター選手。契約発表時はそんな選手が本当にニューヨークを離れ、シアトルに来るのかと耳を疑ったほどです。 移籍初年度のカノは打率.314 を記録。2010年のイチロー以来、マリナーズの先発レギュラーとしては4 年ぶりの3 割打者となり、幸先の良いスタートを切っています。 クルーズは8年間マリナーズの同地区ライバルのテキサス・レンジャーズに所属していた選手。カノと同じドミニカ共和国出身です。2013 年には薬物使用により、50試合の出場停止処分を受けましたが、ボルティモア・オリオールズへ移籍した昨季は40 本塁打(リーグ最多)、108 打点(リーグ3位)の大活躍。1 年前にもクルーズの獲得を試みたと言われるマリナーズは、主に指名打者として起用するようです。 過去にはどういうわけか、エイドリアン・ベルトレ(現レンジャーズ)やリッチー・セクソン(引退)のように、マリナーズへ移籍した途端に成績が低迷してしまった大物打者がちらほら。カノやクルーズは同じ道をたどらないことを願うばかりです。そして、今季は得点チャンスで途切れない打線に期待しています。 [スポーツウォッチング]