去る7月5日、女子サッカーのワールドカップ決勝でアメリカが5-2で日本を破り、金メダルを手にした後、シアトルでおなじみの2選手が談笑する光景を目にしました。この日が30歳の誕生日だったミーガン・ラピノーと、昨季シアトル・レインでプレーしていた川澄奈穂美です。2連覇を逃し、落胆する日本代表選手が次々とロッカールームへ退いていく中、川澄選手はラピノーに歩み寄ってハグ。どんな話をしていたのか、気になりますね。すでにレインで試合復帰しているラピノーに聞いてみました。
試合後、川澄選手と話をしていたが?
優勝と誕生日おめでとうと言ってくれた。サキ(熊谷紗希)とも話をした。サキとは(フランスのサッカーチーム、オリンピック・)リヨンで一緒にプレーした仲だし、オーノ(大野忍)ともチームメイトだった。久しぶりに会えて嬉しかったけど、あの場面では軽い話にとどめておいた。ナホにはシアトルに戻ってくるようにと伝えた。みんな戻ってきてほしいと願ってる。
決勝では川澄選手とのマッチアップが多かった
彼女の特長は分かっているし、プレーしやすい面もあった。でも彼女も私のことを知っている。ナホは本当に素晴らしい選手だから、どれほど事前研究しても、いいプレーを見せてくる。決勝戦の途中でベンチに下げたのは間違いだったのでは? どういう理由かは分からないけど、最後まで出すべきだったと思う(川澄選手は前半39分で菅澤優衣香と交代)。
4年前のこともあり、決勝で日本を破ったのは感慨深かった?
そういう気持ちも少しはあったが、リベンジや見返してやるという気持ちはなかった。日本は2011年の大会で優勝にふさわしいチームだったし、今回は私たちが優勝にふさわしいチームだった。両チームとも4年前とは違うチームで、プレースタイルも、メンバーも変わった。日本と対戦するのはいつも楽しみ。いい試合になるから。
ワールドカップ出場中もブログ更新を欠かさなかった川澄選手は、準々決勝で日本に敗れたばかりのオーストラリアの選手やスタッフから次戦への激励の言葉をかけてもらい、「負けた後になかなかできることではない」と絶賛していました。自分がそういう経験をしたからこそ、決勝戦の後、ラピノーへ声をかけに行ったのかもしれません。
その川澄選手の言葉にラピノーも感動。決勝戦から3日後、「ナホは私が尊敬して止まない人格者。決勝で対戦できたのはとても光栄」などと書き添え、川澄選手から送られたツーショットの写真をツイートしています。世界トップクラスの選手が互いにリスペクトしあう姿。美しいですね。