2 年連続でシーホークスが出場した第 49 回スーパーボウルは、残念な結果に終わってしまいました。シーホークスが圧勝した去年のスーパーボウルとは打って変わり、今年は最後の最後まで手に汗握る大熱戦でした。名試合にはならなくてもいいから、シーホークスに勝ってほしかったファンは多いはず。そして、逆転を狙った最後のプレーを悔やんだファンも多いはずです。 28-24 でペイトリオッツを追っていたシーホークスは、逆転のタッチダウンまであと 1ヤードに迫りました。残り時間は 26 秒。残りタイムアウトはシーホークスが 1 回、ペイトリオッツが 2 回。第 2 ダウンを迎えたところでした。「ここからマーショーン・リンチのランでタッチダウン!」と期待していた人が圧倒的だった中、シーホークスが選んだのはリカード・ロケットへのパス。背後からどんぴしゃで割り込んできたペイトリオッツのマルコム・バトラーにインターセプトされ、勝敗が決まってしまいました。 パスを選んだ理由 大いに批判されたこのプレーですが、ピート・キャロル監督の説明は理にかなっていました。パスが失敗すれば試合の時計は止まりますが、ランの場合は時計は進み続けます。つまり、ランで失敗すれば残り 2 回のダウンで得点する時間が残らない恐れがあります。このため、第 2 ダウンではとりあえずパスを投げ、失敗したとしても残り 2 回のダウンで得点する時間を残したかった。そしてタイムアウトを温存しておくことで、第 3ダウンまで進んだ場合に時計を止められるパスを選ぶか、時計が止まらないランを選ぶか、ペイトリオッツに分からない状態にしておきたかった、ということなのです。 ランを起用していたら? 仮に第 2 ダウンでランを起用したとします。タッチダウンが決まったとしても約 20 秒ほどの時間が残り、残り 2 回のタイムアウトと合わせ、ペイトリオッツに同点に追いつかれる可能性があります。ランに失敗すれば、時間切れを防ぐためにシーホークスは最後のタイムアウトを使い切ることになります。そうなると、第 3 ダウンは必然的に時計を止められるパスを選ぶことになり、パスがくると分かっているペイトリオッツにとっては守りやすくなります。キャロル監督はこういう状況を避けたかったのです。しかし、不運にも第 2 ダウンでパスをインターセプトされてしまいました。 それでも、あそこはリンチのランで攻めてほしかった気はします。時間が残ったなら、ディフェンスで勝負してほしかった。しかし、大きな故障を抱えながら出場していた選手が多く、キャロル監督がとった「最善策」があのパスだったのでしょう。