アメフトの試合前のお約束 テールゲートパーティー
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プロもカレッジもアメフトシーズンが始まっ たばかり。自宅でのテレビ観戦なら解説付きで、 飲み食い自由。トイレも順番待ちせずに済み、快 適に試合を楽しむことができます。しかし、せっかくアメリカにいるのなら、一度はスタジアムで 観戦してみたいもの。ギネス世界記録にもなっ たセンチュリーリンク・フィールドのクラウドノイズは実際に体験してみてこそ、そのすごさがわ かるはずです。ビッグプレー成功後に周囲の見 知らぬ人たちとハイタッチして喜びを分かち合 えるのも生観戦の醍醐味です。
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アメフト観戦で欠かせないのは試合前に駐車場で繰り広げられるテールゲートパーティー。 車の後部(Tail)ゲートを倒して平らにした場所を テーブル代わりに飲み食いすることに由来する名称ですが、今ではすっかり進化し、フルサイズのグリル持参は当たり前。「何でもビッグ」と言 われるテキサスでは、豚の丸焼きができるほど大きなスモーカーグリルをトラックで牽引して持 ち込む光景も目にします。
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テールゲート会場ではあちこちにチームの旗が翻り、日よけや雨よけに張ったイベント用テントの中で、折りたたみ式のテーブルに食べ物がず らりと並びます。ビールを片手に、衛星放送のア ンテナと共に持ち込んだテレビで他チームの試合を見ながら、アメフト談義をする人もいれば、 コーンホールやラダートスのゲームに興じる人 もいます。真冬には日中でも氷点下になる寒冷 地でもビールは必需品で、中にはトラックの荷台に自前の簡易トイレを積んで来る人さえいます。 チームロゴが塗装された車や、サイドパネルにビールを注ぐ蛇口を設けたスクールバスなど、改 造車を見て歩くだけでも楽しいです。
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シアトルはスタジアム周辺の駐車スペースが 限られているのが残念ですが、ちょっと離れた ところに「テールゲート横丁」があります。セーフコ・フィールドの1ブロック西にある線路沿いにスターバックス本社前まで伸びるユタ・ア ベニュー・サウスは、無料で路上駐車可能な裏道で、シーホークスのホームゲーム当日は朝早くから狭い路上に大勢の12sでごった返す「Hawk Alley」と化します。そこで目にしたシアトルならではのテールゲートお役立ちグッズは「すのこ」。 でこぼこが多く、水たまりができやすいこの裏道では、すのこで作った平地にグリルや椅子を置いてこそテールゲートの達人です。湖畔にあるワシントン大学のスタジアムへはボートで向かうこともでき、優雅に水上で「セールゲート」を楽しむ人もいます。今度試合を見に行く際は、テールゲートパーティーものぞいてみてください。
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