シアトルで増え続けている「麺」のお店。今回は、夏においしいラーメン、冷やし中華、手打ちそばが食べられるお店をご紹介します。
取材・文:小村侑子、ハーモニー・ケリー、室橋美佐、小林真依子、吉田雛子
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Kamonegi 9月13日オープン
シアトルで初めてのそば打ち職人である相馬睦子(そうまむつこ)さんが、この秋フリーモントに待望の新店舗をオープンする。ワシントン州産のそば粉を使った打ちたてのそばと季節の野菜の天ぷら専門店、その名も「Kamonegi(カモネギ)」だ。
相馬さんは2013年からウォーリングフォードの手打ちそばレストラン「Miyabi 45th(現在は閉店)」の共同オーナー兼シェフとして腕をふるった後、一夜限りのポップアップイベントを各地で開催してきた。さまざまなレストランとのコラボレーションの中で腕を上げた相馬さんの料理には、日本の伝統とシアトルらしいイノベーションが共存している。
看板メニューである「鴨南蛮そば」は相馬さん自身の大好物とあって、こだわりもひとしお。皮目はカリッと香ばしく、中はジューシーという絶妙なミディアムレアの鴨肉は、噛むと口の中いっぱいに野趣あふれる鴨のエキスが広がる。「鴨肉のイノシン酸が、かけ汁のグルタミン酸と出会って、うまみが倍増します。鴨とそばはまさに理想のコンビなんです」と相馬さん。冬そばの代名詞として知られる鴨南蛮だが、柚子の香りが清涼感を呼び、夏の暑い日でもペロリ。香り高い二八そばの爽快な喉越しが嬉しい。
前菜代わりにつまみたいのが、ローカル素材を中心とした天ぷらだ。サクッと揚がった「アナゴの天ぷら」は、柔らかで弾力あるアナゴの芳醇な味わいが楽しめる。天ぷらは衣に包まれた具材を高温で揚げるため、素材が持つ水分やうまみを逃さない。食材によって温度や揚げ時間を調整し、一品ずつ揚げるという。専門店だからできる職人の手仕事だ。
そばをすすりながら天ぷらをかじり、うまい酒をあおる。江戸っ子の小粋な食文化を満喫できるレストランがシアトルに新しく生まれるのは、私たち日本人にとってまたとない朗報だろう。同店は現在クラウドファンディングを実施中。食事券やVIPパーティーコースなどが付いたお得なセットもあるので、秋の開店を待ちきれない方はぜひウェブサイトをご覧あれ。
1054 N. 39th St., Seattle, WA 98103
☎︎206-632-0185
www.kamonegiseattle.com
Facebook:kamonegiseattle
※値段は参考価格。変更の可能性あり