日本語を活字で追う楽しみ、長らく忘れていませんか? 夏のバケーションにはぜひ日本語の本を携えて、のんびり読書はいかがでしょう。紀伊國屋書店シアトル店の皆さんに、各ジャンルから気になる本を選んでもらいました。
取材・文:ハーモニー・ケリー、小林真依子、ハントシンガー典子
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The Crow
(邦題「クロウ/飛翔伝説」、1994年)
結婚前夜に殺された恋人の仇討ちのため、墓場から蘇った不死身のヒーロー。物語に新鮮味があるわけではありませんが、その世界観に引き込まれます。愛と復讐に満ちた主役をブルース・リー氏の息子、ブランドン・リーさんが演じています。劇中の雰囲気と音楽、そして主役の哀しいダークヒーロー姿。ブランドンさんは撮影中の発砲事故で亡くなってしまいましたが、彼のキレのあるアクションと熱演は父を思わせる貫録です。
(小林真依子)The Shape of Water
(邦題「シェイプ・オブ・ウォーター」、2017年)
清掃員として孤独な生活を送るイライザは、幼い頃のトラウマから声が出せない女性。ある日、半魚人のような不思議な生きものと出会い、恋に落ちます。「モンス ターと人間のロマンス」はこれまでもありましたが、若いヒロインではなく、中年女性が主役というのがミソ。サリー・ホーキンスさんの演技が心に刺さります。日本の影響を受けたという美術もこだわりま くりで、色のコントラストが素晴らしい。
(ハントシンガー典子)夜明けの街で
(2011年)
東野圭吾さん原作のミステリーを岸谷五郎さんと深田恭子さん主演で映画化。 テーマはズバリ「不倫」で、平凡でも幸せな家庭に暮らすサラリーマンが、同僚の不思議な女子社員と不倫関係におちいっ てしまう。切ない恋の行方も見どころで す。夫婦で観ても、そこまで気まずくならない点がおすすめ。男って本当にバカですね! ちなみに私たち夫婦は、ラストシーンで凍りつきました。
(磯野 愛)Incredibles 2
(邦題「インクレディブル・ファミリー」、2018年)
ピクサーによる最新映画。前作から14年の時を経て、待望の続編が公開に!スーパーパワーを持つ5人家族が団結して世界平和のために悪と戦います。母・ヘレンのパワーアップしたア クションと、不慣れな子守に奮闘する 父・ボブの姿が見どころ。末っ子である ジャック・ジャックの、知られざる能力が発揮されるシーンには、映画館の観客みんなで大爆笑でした。
(上田あずさ)Ant-Man and the Wasp
(邦題「アントマン&ワスプ」、2018年)
マーベル・スタジオ最新作の、アントマン2作目。特殊スーツを着て体長1.5センチになって戦う極小ヒーローと今回から共に戦うワスプも登場。アクションと ユーモアにあふれる、子どもも大人も楽 しめる映画です。前作と「アベンジャー ズ/インフィニティ・ウォー」を観ておくとストーリーがさらに楽しめます。主人 公・スコット・ラングの友人、ルイスにも注目。映画館内が大爆笑に包まれます。 (塚本恵子)Wonder
(邦題「ワンダー 君は太陽」、2017年)
ジュリア・ロバーツさんの名前に引かれ、観てみた映画です。荒れた心が洗われました(笑)。外見に障害を持つ男の子、その家族、学校の友だち、みんなそれぞれ悩みがある。どの登場人物の気持ちも理解できて、気付いたらひとり号泣 ……。「正しいことをするか、親切なことをするか、どちらかを選ぶときは、親切を選べ」。この格言、心に響きました。とてもとても良い映画でした。
(山野真弥)I, Tonya
(邦題「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」、2017年)
何となく選んで観たところ、ドーンと 心に落ちてきた作品。全米フィギュア・ スケート選手権でトリプルアクセルを成功させたが、1994年にライバル選手の襲撃に関わったとされ全米スケート協会から追放されたトーニャ・ハーディングさんの実話を映画化。冷酷な鬼母や離 れられない暴力夫、そんな環境にすさみながらもスケートに人生をかけるトー ニャ、それぞれの登場人物の描写が鮮烈。
(室橋美佐)The Sound of Music
(邦題「サウンド・オブ・ミュージック」、1965年)
母を亡くした個性豊かな7人兄弟の家庭教師としてトラップ家にやって来たマリア。いつも前向きなマリアに、頑なになっていた心をほぐされていく子どもたちと父のゲオルク。舞台は、第二次世界大戦前後のオーストリアとアメリカです。どんなに苦境に陥っても歌いながら乗り越えようとする姿を応援せずにはいられません。半世紀前の映画ですが、名曲や名言の 詰まった不朽のミュージカル映画です! (ハーモニー・ケリー)