実りの秋、食欲の秋、到来。日本人の舌と胃袋を満足させるのは、やっぱり日本食！
シアトル界隈の店からおすすめの品々を紹介してもらいました。読者特典もお見逃しなく。
取材・文：室橋美佐、磯野 愛、上田あずさ、ハーモニー・ケリー、ハントシンガー典子、栗原澄也
丁寧 Teinei
～吹き出す汗が止まらない！ヤミツキになる鬼辛ラーメン～
サウスレイクユニオンという場所柄、平日はアマゾン社員でにぎわう自家製麺と寿司の店。この10月で開店１周年を迎える。元公邸料理人・對馬賢一朗シェフが自信を持って提供する、秋イチオシの新メニューは「鬼辛ラーメン」。まず、見た目の一撃がすさまじい。あの東京の名店、中本の「蒙古タンメン」を彷彿させる真っ赤なスープに、豆腐と豚ひき肉が載っている。スープの底に潜んでいる、つるりとのど越しの良い中太麺に決して騙されてはいけない。麺にスープが良く絡み、舌にピリピリとくる辛さと、じわーっと体の奥底に浸透してくる辛さがダブルで攻めてくる。とにかく辛い！しかし、とてつもなくうまい。スープはしょうゆベースで、粗びきと細びきの2種類の唐辛子、たっぷりのショウガ、豆板醤などを使っているそう。
「せっかく辛いラーメンを出すならと、辛いもの好きの方に満足してもらえるように、とことん辛くしました」と、やんちゃな笑顔で語るのはホール・マネジャーの石橋良平さん。もちろん、ただ辛いだけではない。1度食べたらヤミツキになってしまう、危険な中毒性を持つ1品に仕上がっている。
開店以来の看板メニューのひとつ「塩ラーメン」もぜひ試して欲しい。いつもは寿司職人として腕を振るう川久保茂樹シェフによるラーメンは、今も進化を続けている。石橋さんからは「あまりにこだわり過ぎて採算が合わなくなりそう」と悲鳴も出るほどの、渾身の1杯だ。スープはシアトルらしく、ダイバーシティに配慮して豚は一切使わず、鶏ベースに。塩ラーメンでは、その鶏らしい柔らかなうま味がより感じられ、澄んだスープは、思わず全部飲み干してしまいたくなる。丁寧に盛り付けられた白菜や、白髪ネギならぬ白髪リークも、どことなく上品だ。
ハッピー・アワーでは$9で提供
そして、寿司部門の新作として「イエロー・サブマリーン」も登場した。内側には食感の良いキュウリと、ほど良く酸味を感じるしば漬け、ホタテの刺身が巻かれ、外側をハマチがびっしりと覆う欲張りな1品。薄くスライスして載せられたライムと大葉が華やかな香りを添え、さらにカツオだしが利いた自家製ポン酢で見事にさっぱりとした味に仕上がっている。
実はもうひとつ、同店で愛されてやまないアイテムがある。およそ4時間かけて作られる特製スパイシー・ソースだ。各テーブルに備え付けられていて、ラーメンに、寿司に、はたまた豪快に白飯にかけても楽しめる。このソースを目当てに訪れる常連客も多いとか。
クセになる人続出！
Pontius Ave.に入口のある無料駐車場（15台まで）も便利。辛いもの好きは必訪の同店に、足を運んでみよう。ハッピー・アワー拡大中で、月～金5pm～6pm／8pm～閉店、土日は終日実施している。
丁寧 Teinei
1256 Republican St., Seattle, WA 98109
営業時間：月～金11am～3pm／5pm～10pm（金～11pm、土12pm～／～11pm、日12pm～）
☎ 206-420-4500
ウェブサイト:http://teinei-seattle.com
