「一生を捧げ悔いなし 阿波踊り」
娯茶平7代目連長 岡 秀昭氏にインタビュー
取材・文: 小川祐理子 写真提供:娯茶平
由緒ある阿波踊り連、娯茶平(ごぢゃへい)。連とは、踊り子グループのことで、毎年8月に徳島市で開催される阿波踊り大会では、それぞれの連が異なる特徴の踊りを披露する。娯茶平7代目連長を務める岡 秀昭氏がジャパンフェアに参加し、メインステージで29日に阿波踊りレッスンを、30日に阿波踊りコンテストを行う。イベントに先駆け、岡氏に娯茶平の活動と奥深い阿波踊りの世界について話を聞いた。
娯茶平で踊り続け60年余り
1946年に「オール前川娯茶平倶楽部」という名前で誕生した娯茶平。まだ戦争の傷跡が残る中、「ひと時でも憂さを忘れて踊りたい」という思いから、徳島県の方言で「でたらめな人」を意味する「ゴジャ」からその名を取り結成された。結成当時、連員は28名。男性のみだったという。それから70年以上が経った現在、連員数は385名に上り、男女問わず5歳の子どもから80歳を超えるお年寄りまでが所属している。
「入連するなら娯茶平と初めから決めていた」と、岡氏。入連から20年後に連長に就任し、今も現役の踊り手として活躍する。徳島県の阿波踊り本番を控えた夏季は週に5日練習に打ち込み、それ以外の時間では体力維持のためスポーツジムに通うなど、まさに阿波踊りに身を捧げている。
人生の大半を阿波踊りと共に歩んできた岡氏であるが、これまでの活動で特に印象的だったのは、天皇陛下に天覧踊りを披露したことだと話す。1970年の大阪での日本万国博覧会や、2014年の皇居での天皇陛下傘寿祝いなどにおいて、昭和天皇に2度、現在の上皇に2度、経験を持つ。その功績が評価され、2013年には徳島県表彰も受けた。まさに「阿波踊り界のレジェンド」。今後の目標は、「2020年の東京五輪の開会式で、大規模の人数で踊ること」だ。
参加して楽しむのが阿波踊りの醍醐味
地を這うように低く落とした腰にゆっくりとしたテンポ、能のようなすり足が特徴の踊り方は「娯茶平調」と呼ばれ、阿波踊りの主流のひとつになっている。また、漁師の投網を模した男踊りの技法「網打ち」は1981年に岡氏自身が命名し、一躍有名となった。娯茶平は、日本全国はもとより、欧米・アジア・南米など海外公演も行う。
阿波踊りの魅力を世界に発信している娯茶平だが、「国内でも海外でも気持ちは一緒。1人でも多くの人たちに本場徳島の阿波踊りに足を運んで欲しいという思いで公演している」と、岡氏。観光客数ワースト1位である徳島県を、阿波踊りを通じて盛り上げたいと、精力的に活動を続けている。
今は亡き日本の名俳優、津川雅彦氏も、娯茶平の踊りに魅せられたひとりだ。「阿波踊りは実際に見るより、踊ったほうが良い。参加型の民謡ですね」。そう感想を述べた津川氏が忘れられないと岡氏は語る。
今回のジャパンフェアも、29日の岡氏による阿波踊りレッスン、30日のコンテストと、まさに参加型の祭典。見て楽しい、一緒に踊ってより楽しい阿波踊りの魅力を、ぜひ会場で味わってみて欲しい。
「同じ阿呆なら、踊らにゃ 損そん!」
阿波踊りコンテストの連募集
優勝連にはマリナーズボックス席10枚!!
8人以上の連(チーム)を組んで、阿波踊りコンテストに参加しよう。岡氏が選んだ優勝連には、 マリナーズのボックス席チケット10枚が贈られる。
登録はこちらから: japanfairus.org/page/awa-odori
岡 秀昭氏によるプログラム
会場メインステージ:
6月29日(土)2pm~2:45pm 「阿波踊りレッスンとデモンストレーション」
6月30日(日)2pm~2:45pm 「阿波踊りコンテスト」
フレンズ・オブ・ジャパン・ガーラ:
6月29日(土)フレンズ・オブ・ジャパン・ガーラで踊りの披露
岡 秀昭 ■ 娯茶平7代目連長。1960年に入連し、1980年連長に就任。これまでに47都道府県、海外約20カ国で阿波踊りを披露している。
ジャパンフェア 2019
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日程:
6月29日(土) 10:00am – 6:00pm
6月30日(日) 10:00am – 5:00pm
会場:
メイデンバウアー・センター
11100 NE. 6th St., Bellevue, WA 98004
ウェブサイト:
http://japanfairus.org