オーディオロジストは、生まれたばかりの赤ちゃんから年配の方までを対象にしている。ご主人が他界した後、1年の半分をアリゾナ州の別宅で友人と暮らしている85歳の女性がいた。最近耳が聞こえにくいという理由で、友人のすすめで来院。聴力は、よく今までやってこれたなと感心するほど悪かった。補聴器購入1カ月後の検診時に来た彼女は、黒のTシャツとジーパン姿。それまでは、いかにも気品のある年配の女性といった服装だったので、この変化に正直驚いた。以前より生き生きとして見える。尋ねてみると、この検診の後、シニア向けのダンスの練習に参加するのだという。それも、ブレイクダンス! 次の発表会ではマイケル・ジャクソンの『Bad』という曲に合わせて踊るとかで、お孫さんも見に来るからはりきっているそうだ。ちょっとだけ披露してもらったのだが、いかにもマイケル・ジャクソンのような振り付けで感動した。耳がよく聞こえるようになったおかげで外に出ることが好きになり、新しいことに挑戦してみる気になったと聞いて嬉しくなった。
[耳にいい話]