メディカルハーブやアロマテラピーをお教えしている中で、生徒さんはもちろんのこと、お会いする方々からよく聞かれるのは、女性系の不調に対する対処法のご質問です。
アロマテラピーでもハーブでも、ゆるやかに改善する方法はいくつかありますが、精油での説明は多少難しくなってしまうので、誰もが試しやすいハーブティでのアプローチをお伝えします。女性のハーブで代表的なのは「ラズベリーリーフ」です。軽い甘みに少しスパイシーな後味があり、飲みやすいお茶です。
出産時に効果的だとして多くの記事が書かれていますが、出産関連のみならず、これは女性の味方のハーブです。ラズベリーは昔から子宮、泌尿器系に対する働きがあることが知られています。月経困難症、月経過多、PMSなどへの対処が期待できます。この場合は、1日に2、3杯程度のお茶を飲むことによって症状が軽減される見込みがあります。
ラズベリーの葉にはタンニン、フラボノイド、グリコシド、ミネラル類(特にカルシウムとマグネシウム、鉄)が豊富に含まれ、細菌による消化器系の感染、痛み、炎症などの不快を解消する作用があるので、お腹の痛みや感染性下痢の時に飲んでも改善が期待でき、また子どもの下痢にも飲ませることができるマイルドなお茶です。抗炎症作用があることから、喉の痛みなどにも使えます。その場合はお茶でうがいも効果的。
ラズベリーの実にはビタミンAとC、ミネラル類が入っており、リンゴ酢などに実を漬け込んで、その酢を実と一緒に水か炭酸で割って食前に飲むのも一手です。
大型スーパーなどでオーガニックのラズベリーリーフティーバックが売られていますので、生理痛など上記の症状をお持ちの方は飲用を試してみてください。
注:子宮の筋肉の収縮性に作用するので、妊娠初期〜中期の方は飲んではいけません。しかし、出産間近から出産後にかけて飲むと、出産時のサポートや産後出血の改善に良いとされています。その場合も、飲用の前には必ず医師のアドバイスを受けてください。鉄分薬を摂取している方はタンニンが鉄分吸収を阻害する場合があります。
[フィトアロマ]