シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。
🏋️タンパク質はバランス良く取り込むべし🏃
筋トレブームの中で注目されるタンパク質ですが、タンパク質なら何でも良いというわけではありません。また、質と量のバランスも大事。筋肉を付ける、体脂肪を減らす過程で必要なタンパク質について、基本知識をおさらいしましょう。
タンパク質は9種の必須アミノ酸と11種の非必須アミノ酸で成り立っています。必須アミノ酸は体内で作れず、食べ物から摂取しないといけません。非必須アミノ酸は体内で作ることができますが、加齢と共に作れる量が減ってくるようです。つまり、その両方を食事から取り入れるのが理想。トレーニング、ダイエット、スポーツなどを行う場合は、ホルモンの分泌、筋肉の分解と再構築を考えると、標準以上の摂取が望まれます。
食材に含まれる必須アミノ酸量を確認することも重要。その指標として、「アミノ酸スコア」が広く用いられています。食材ごとに必須アミノ酸量に応じて点数が算出され、1日の摂取量を満たしていると100のスコアが付きます。
たとえば卵は100ですから、必須アミノ酸の全9種が1日の摂取量を満たすことがわかります。一方、精白米は65なので、全種そろっていない、もしくは量が足りないということになります。もし単体ではバランスが整わなくても、組み合わせることで必須アミノ酸を満遍なく摂取できます。そう考えると、おかずをたくさん作る日本的な食事では、アレンジしやすいとも言えるでしょう。
1日に摂取するタンパク質量の目安は、体重1キロに対して2グラムです。体重40キロでは80グラム、70キロでは140グラムと計算できます。タンパク質はダイエットを行う際、カロリーを抑えるために減らされる傾向にあり、また女性やビーガンの方は不足しがち。食事で間に合わない場合は、プロテインパウダーを活用して補うことも検討しましょう。タンパク質は筋肉の生成以外にも、ホルモン、皮膚、骨、遺伝子など、ほとんどの体内機能に必須。質が偏っている、量が足りていないという方は見直してみることをおすすめします。
以下に紹介するエクササイズは、背中がターゲット。面積が広く、筋肉の種類も多い背中のエクササイズはバリエーションも豊富です。1つのエクササイズを手の向きを変えて3種類行い、背中の筋肉全体を刺激していきましょう。
今月のトレーニング
STEP 1
オーバーハンド・ロウ 15回を3セット
腰幅に足を開き、上体を真っすぐにして前屈姿勢で行います。ダンベルを持ち、肩甲骨の上部をくっつけるイメージで胸まで引き上げましょう。手は拳が前に向くオーバーハンドに。ゆっくりと繰り返し、1分ほど休憩を挟んで3セット続けてください。ダンベルはペットボトルなどで代用できます。
STEP 2
リバースハンド・ロウ 15回を3セット
基本姿勢は1と同じ。違いは手が逆向きになることと、肩甲骨を引くときに下部をくっつけるようにすることです。ダンベルは胸でなくウエストに当たるように意識して引き上げましょう。1分ほど休憩を挟んで3セットをゆっくり行ってください。こちらも、ダンベルはペットボトルなどで代用できます。
STEP 3
パラレルハンド・ロウ 15回を3セット
基本姿勢は1、2と同様。ただし、拳が外向きになります。肩甲骨は真ん中の部分を意識して引きましょう。肩甲骨で背骨を挟むイメージです。ダンベルは胸よりも若干ウエスト寄りに引き上げるようにしてください。ゆっくりと、1分ほど休憩を挟んで3セット行います。ダンベルは同じく、ペットボトルなどで代用できます。
※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。
写真クレジット:Kota Shimada
※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。
Mastering Body Institute
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☎571-235-8580、 lifecultivation@gmail.com
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参考文献
日本食品分析センター
食品たんぱく質の栄養価としての「アミノ酸スコア」
https://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_no46.pdf