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お腹周りを絞りたいならストレスは大敵〜美ボディーをつくるトレーニング

シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。

🏋️お腹周りを絞りたいならストレスは大敵🏃

ダイエットや運動をしていて、腕や脚はそれなりにシェイプアップできても、お腹周りに変化がないという方は多いかと思います。お腹周りの脂肪、特に内臓脂肪は、高血圧、糖尿病、心臓疾患などにつながるメタボリック症候群に関連があるとされています。

内臓脂肪の蓄積は、ストレスホルモンであるコルチゾールが主な原因と言われます。コルチゾールが増えると、食事や睡眠などにも影響します。ストレスがたまると甘いものや油ものを体が欲するようになりますが、このような食事を続けてしまうと、お腹周りの脂肪のみならず、インスリン抵抗性や酸化ストレスの上昇を招きます。睡眠に関しても、ストレスがたまり過ぎると中枢神経が過敏に働き、寝付きが悪くなっていきます。睡眠の質が落ち、睡眠時間が7時間を切るようだと、内臓脂肪の蓄積が進んでしまいます。

そこで有効なのが、コルチゾールの蓄積を制限する習慣作りです。ストレスを完全になくすことは難しいのですが、カフェイン、喫煙、アルコールなどの刺激物を控え、適度な運動を行い、食生活を改善することで、ストレスを軽減できます。喫煙やアルコールは肺、血管、肝臓、脳などに負担をかけます。カフェインの場合、摂取するメリットはあるものの、睡眠への影響が完全になくなるまでに12時間もかかり、飲むタイミングには注意が必要。たとえば、昼の12時にカフェインを取ると、体内から消えるのは夜中の12時ということになります。なかなか寝付けずにストレスを感じ、それが慢性化するとコルチゾールも蓄積する一方です。

食事に関しては、自分の体が消化しやすい自然食材を中心に食べることが重要。消化しづらかったり加工食品が多かったりすると、消化器官にストレスを与え、お腹周りだけでなく体全体がむくんだ状態に。個々によりますが、たとえば筆者の場合、魚を食べるようにすると疲労回復が早く、お腹周りもスッキリします。

実は、お腹周りの脂肪を落とすために運動量を増やすことは逆効果。そのためにストレスや疲労が蓄積しては元も子もありません。強度を下げる代わりに頻度を上げることがポイント。負担にならない範囲で20~30分程度の運動を週4~6日行いましょう。運動し終わったあとで「ちょっと物足りない」と感じるくらいが目安です。以下で紹介する腹筋の厚みを出すエクササイズも、ぜひ加えてみましょう。少しずつお腹周りの見栄えが良くなってきます。週2回をめどに続けてみてください。

今月のトレーニング

STEP 1
ボール・クランチ 20回を2、3セット

ボールを使うと腹筋を伸ばしてから縮めることができ、腹筋の厚みを付けられます。ボールが転がらないように、ソファーなどで安定させて行いましょう。ボールがなくてもバスタオル、枕、クッションなどを丸めて代用できます。まず、ボールの上に仰向けになり、腰をボールで支えている状態から、上体を腹筋中心に丸めていきます。腕は胸の前に組んでも、頭の後ろをサポートしても、どちらでも問題ありません。

STEP 2
ボール・クロス・クランチ 左右各20回を2、3セット

同じくボールの上に仰向けになり、腰をボールで支えている状態から、左手を伸ばします。さらに上体を持ち上げ、左手で右膝をタッチします。20回終わったら、逆側も行いましょう。難しい場合は、無理に膝を触る必要はありません。

STEP 3
足上げ 20回を2、3セット

下腹部のエクササイズです。仰向けになり、両足をそろえて直角に持ち上げます。さらに上げた足をゆっくりと45度くらいまで下ろし、最初の位置に足を戻します。この際、腰が浮かないようにしてください。腰に痛みのある方は、枕やクッションをお尻の下に敷いて、腰をサポートしましょう。45度は目安なので、できる範囲で行って構いません。

※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。

写真クレジット:Kota Shimada

※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。

Mastering Body Institute

9123 151st Ave. NE., Redmond, WA 98052
☎571-235-8580、 lifecultivation@gmail.com
www.masteringbodyinstitute.com


参考

  1. Drapeau V, Therrien F, Richard D, Tremblay A. Is visceral obesity a physiological adaptation to stress? Panminerva Med. 2003 Sep;45(3):189-95. PMID: 14618117.

  2. Aschbacher K, Kornfeld S, Picard M, et al. Chronic stress increases vulnerability to diet-related abdominal fat, oxidative stress, and metabolic risk. Psychoneuroendocrinology. 2014;46:14-22. doi:10.1016/j.psyneuen.2014.04.003
  3. Han KS, Kim L, Shim I. Stress and sleep disorder. Exp Neurobiol. 2012 Dec;21(4):141-50. doi: 10.5607/en.2012.21.4.141. Epub 2012 Dec 26. PMID: 23319874; PMCID: PMC3538178.

  4. Sweatt SK, Gower BA, Chieh AY, Liu Y, Li L. Sleep quality is differentially related to adiposity in adults. Psychoneuroendocrinology. 2018;98:46-51. doi:10.1016/j.psyneuen.2018.07.024

島田耕太
シアトル地域レドモンドを拠点とするプライベート・トレーナー。インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、1998年より個人、グループ、企業に向けてフィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う。