シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。
美ボディーをつくるトレーニング
体幹を美しく強化せよ!
「体幹」という言葉を聞いたことがあるかと思います。体幹を支える筋肉、体幹筋が弱かったり、ブレやすかったりすると、腰痛、肩こり、膝痛、バランスが不安定になるなど、日常生活においてさまざまな悪影響を及ぼします。また、体幹筋の弱い女性がヒールの高い靴を履くと歩き方がおかしくなり、美しい姿勢を保てなくなります。スポーツをする方は、いくら上半身や下半身が強くても、体幹筋が弱いと上手く力を伝えられず、パフォーマンスに支障が出ます。
体幹とは何でしょう。体幹は「頭や四股を除いた胴体部分」と一般的に言われます。ですが、体を動かす際、頭がブレてしまうとバランスが悪くなりますよね。ですので、頭も除外するわけにはいかない。つまり、体幹は「頭蓋骨から尾骶骨までの脊髄骨」と言えます。さらには、腕、足を支える骨である骨盤や肩甲骨も、体幹と言えるでしょう。そう考えると、体幹筋というのは脊髄骨、骨盤、肩甲骨を支える全ての筋肉を指すことになります。多くの場合、体幹筋は腹筋またはインナーマッスルなどと説明されますが、それは体幹の一部分です。
体幹筋には以下、3つの主な働きがあります。
① 体を支える
歩いている時に体幹筋で体が支えられないと姿勢にブレが生じ、歩き方に影響が出ます。また、荷物などを持つときも、体幹筋がしっかりしていないと、荷物を持ちながら歩くことが難しくなります。
② ひねり
ひねりの動作はスポーツなどでも必要です。ゴルフ、サッカー、野球、体操など、体幹筋が上手く働かないと力が出ないばかりか、ケガにもつながります。日常生活でも、物を右から左に移すときなどにひねりが生じます。
③ 上半身と下半身の力の連携
たとえば、重たい物を持ち上げるときは、腕と足を使って踏ん張りながら持ち上げますよね。体幹が弱いと腕と足のみで物を持ち上げることになり、力が上手く入りません。ジムでも、上半身、下半身が大きく強そうな人がバーベルを持ち上げられないというケースを見かけます。いわゆる見かけ倒しですね。
体幹筋を効率良く強化するためには、この3つの働きを中心にエクササイズを選ぶことです。今回は体幹エクササイズを3つ用意したので、ぜひ試してみてください。
今月のトレーニング
STEP 1
2種3点プランク 30秒ずつ
まずは、体幹を使って体を支えることから始めます。通常のプランクは4点プランクと言い、3点プランクでは片足もしくは片腕を上げます。この際、頭と体がブレやすくなるので腹筋、殿筋、背筋などを活用してバランスを保ちましょう。片腕を上げた3点プランクを30秒、逆の腕で30秒行います。片足を上げた3点プランクも左右行うと効果的。3点プランクが難しいようでしたら、通常の4点プランクから行ってください。
STEP 2
ロシアン・ツイスト 60秒
次に体幹をひねるエクササイズです。最初に、膝を曲げた状態で床に座ります。足を若干浮かし、お尻と腹筋でバランスを取ります。その状態のまま、左右に上体をひねります。最初のうちは少しだけひねり、慣れてきたら、ひねった際に床に両手を付けるようにしましょう。さらに、ダンベルなどの重りなどを持ったまま行うことで難易度が上がります。あわてずにゆっくり行いましょう。
STEP 3
ベア・クロール 60秒
熊のように歩くベア・クロールは、両手両足を床について歩くエクササイズです。手は肩の下、膝は腰の真下にあるようにしましょう。この状態から膝を若干浮かしたまま、左手と右足を前に出します。次に、右手と左足を前に出します。この要領で60秒間歩いてみましょう。ポイントは2つ。対角の手足を動かすことと、膝をできるだけ床に近付けた状態で歩くことです。頭が垂れ下がりやすくなるので注意してください。
※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。
写真クレジット:Kota Shimada
※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。