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エクササイズで免疫力を高める〜美ボディーをつくるトレーニング

シアトル地域レドモンドを拠点に活躍するプライベート・トレーナーの島田耕太さんが、自宅でできるトレーニング法を解説します。

美ボディーをつくるトレーニング

エクササイズで免疫力を高める

パンデミックの影響が続く中、免疫に関するさまざまな情報がこれまで以上に出てきました。最近ではCDC(米疫病対策センター)が、人間の持つ免疫は新型コロナに対して有力であり、免疫力が高ければワクチン効果も高まると公表。このコラムでもたびたび触れてきましたが、われわれの持つ免疫は強力で、健康体であれば大抵の病気に対応できるものです。もし風邪などを発症しても、数日間安静にしていれば回復できる能力を持っています。ただし、肥満、糖尿病、高血圧、心肺機能障害などで健康とは言えない状態では免疫力が低下します。

エクササイズの免疫に対する効果についても、研究が続けられているところです。確実なことはわかっていないものの、運動することで免疫力が高められるというデータが次々と発表されています。男性と女性とでは誤差が生じることもありますが、がん、心臓や肺の病気、免疫力の衰えなどにエクササイズは効果的とされています。やはり確実ではないにしても、トレーニングを教える身として個人的に感じているのは、エクササイズをしながら程良く筋肉を付ければ、回復能力や免疫力は高められるということ。いくつかの研究結果もその可能性が高いことを示唆しています。

エクササイズを行うと体に負荷を与え、微量ながらも体は損傷を受けます。体はその損傷を修復するプロセスに入りますが、適切な食事や睡眠習慣でより効率的に行うことができます。このプロセスを繰り返すことで、同じエクササイズによる体の損傷が次第になくなり、体全体の修復能力、負荷への対応能力が高まり、免疫の強化につながります。

つまり、エクササイズで重要なのは、体に負荷や損傷を与えることと、そこから体を回復させること。毎日エクササイズを行うのは逆効果になります。最初のうちは1、2日置きに、週2、3回が目安。強度に関しては、多少筋肉痛になるくらいがちょうど良いと言えるでしょう。さじ加減が難しいのですが、徐々に学んでいくしかないようです。

たとえば、筋トレは重量を調整しながら、さまざまなメニューに挑戦すること。外でのウォーキング、ハイキング、サイクリングでは、ペースと時間、移動距離により体への負荷を調整できます。エクササイズの頻度を高めたい場合は、筋トレ、ウォーキング、ストレッチなどを交互に行うのも良いでしょう。筋肉の硬い方は、ストレッチやヨガのセッションを週に1、2回取り入れると疲労回復に役立ちます。

右に紹介するのは、体に負荷をかけるエクササイズです。これらをバランス良く行い、強過ぎず硬過ぎず筋肉が付くことが理想です。

今月のトレーニング

STEP 1
床タッチ
15回を3セット

写真クレジットKota Shimada

両膝をしっかりと伸ばしながら前屈して、背筋は丸め、床に手をつきます。足の開きは腰幅程度に。重要な点は、エクササイズ中に膝を曲げないこと。床に手がつかなくても問題ありませんが、行けるところまで行ったら、元の姿勢に戻します。膝裏をストレッチしながら腰、背筋を強化できます。ゆっくり行いましょう。手の平が床につくようになったら、ダンベルなどを手に持ち、負荷をかけます。

STEP 2
かかと上げスクワット
15回を3セット

写真クレジットKota Shimada

かかとを浮かせて行う膝の屈伸運動。膝の可動域を広げながら足首と腰を強化するエクササイズです。足は腰幅程度に開き、つま先立ちになります。バランスに自信のない方は、テーブルやカウンターを活用しましょう。この体勢から背筋を真っすぐ伸ばしたままお尻をかかとに付けるように腰を落とします。膝に痛みのある場合は、くれぐれも無理のないように行うことが大切。その後、元の姿勢に戻します。

STEP 3
ショルダープレス
15回を3セット

写真クレジットKota Shimada

肩と肩甲骨の可動域を広げるためのエクササイズ。足は肩幅程度に開き、肩甲骨をできるだけ引きます。写真と同じく、横から見ると手の位置が肩の横に来るようにし、この位置から腕を真っすぐ頭上に伸ばすことを繰り返します。肩甲骨を引いた状態では難しいと感じる方もいるでしょう。可能な範囲でゆっくり行ってください。肘までしっかり伸ばせるようになったら、ダンベルなどを活用しましょう。

※健康上の不安がある場合は、必ず医師に相談のうえ行うようにしてください。

※同記事は、インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、フィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う島田耕太さんが、資料や経験を元に執筆したものです。

Mastering Body Institute

9123 151st Ave. NE., Redmond, WA 98052 ☎571-235-8580 lifecultivation@gmail.com www.masteringbodyinstitute.com


(参考)

  1. Perkins RK, Lavin KM, Raue U, Jemiolo B, Trappe SW, Trappe TA. Effects of aging and lifelong aerobic exercise on expression of innate immune components in human skeletal muscle. J Appl Physiol (1985). 2020 Dec 1;129(6):1483-1492. doi: 10.1152/japplphysiol.00615.2020. Epub 2020 Sep 24. PMID: 32969782; PMCID: PMC7792837.
  2. Wang J, Liu S, Li G, Xiao J. Exercise Regulates the Immune System. Adv Exp Med Biol. 2020;1228:395-408. doi: 10.1007/978-981-15-1792-1_27. PMID: 32342473.

  3. Simpson RJ, Kunz H, Agha N, Graff R. Exercise and the Regulation of Immune Functions. Prog Mol Biol Transl Sci. 2015;135:355-80. doi: 10.1016/bs.pmbts.2015.08.001. Epub 2015 Sep 5. PMID: 26477922.

  4. Idorn M, Thor Straten P. Exercise and cancer: from “healthy” to “therapeutic”? Cancer Immunol Immunother. 2017 May;66(5):667-671. doi: 10.1007/s00262-017-1985-z. Epub 2017 Mar 21. PMID: 28324125; PMCID: PMC5406418.
島田耕太
シアトル地域レドモンドを拠点とするプライベート・トレーナー。インディアナ州立大学でエクササイズ・サイエンス修士を取得し、1998年より個人、グループ、企業に向けてフィットネスおよび栄養コーチングの指導を行う。