Home 美容・健康 健康な歯でスマイルライフ 歯の定期検診の重要性につい...

歯の定期検診の重要性について

歯の定期検診の重要性について

日本では、高齢に伴って急に歯を失う人が多いと言われています。アメリカを始め他の国がお手本にしたいほどの手厚い国民皆保険制度を持つ日本ですが、国民は歯に問題がないと歯科を受診しない傾向にあると言われています。すなわち、歯の定期検査が国民に習慣として身に付いておらず、定期検査を受ける人の割合はアメリカよりずっと少ないのです。

日本の歯科医師会では、30年以上も前から80歳で残存する歯を平均20本以上を目標に頑張っています。80歳での残存歯数は以前より向上してきているようですが、まだ目標には届いていません。一方、予防歯科が国民に浸透しているスウェーデンなどでは、80歳でも平均20本の歯を保っています。アメリカはスウェーデンには及ばないものの、日本よりは80歳での平均歯数は上であると言われています。

歯の定期な検診と歯のクリーニングが歯の寿命を長くする

定期的な歯のクリーニングを受けていた人の方が歯数が多いという事実は、多くの研究によって支持されています。これまでの歯科治療は、虫歯になったら詰め、さらに進行したらルートキャナル、クラウンに、さらに悪くなったら抜くと言ったように、日本に限らずアメリカでも、悪くなった歯を抜いたり削ったりする治療方法が中心となっていました。しかし、根本の口腔清掃や歯の定期的クリーニングができていないと、詰め物やクラウン、ブリッジなどの人工物ばかり増え、治療は際限なく繰り返され、最後には歯を失うことになっていたのです。このような行き当たりばったりの歯科治療に疑問を持つ歯科医も最近は徐々に増え、問題が起こることを未然に防ぐ予防歯科の意識が広がっています。全身の健康に言えることだと思いますが、予防することは治療することに勝るのです。歯を長持ちさせるためには、治療を最小限に留め、まずはむし歯や歯周病にならないように予防すること。また継続して歯のメンテナンスを行い、その後も治療をなるべく防ぐことが重要なのです。

歯の定期検診およびクリーニングの頻度

通常は年2回程度を勧められることが多いと思います。その根拠は過去の多くの歯科医の研究や経験に基づくものです。しかしこの頻度は、患者さんのブラッシングを主体とした口腔清掃の善し悪し、歯肉の状態や歯石の付きやすさ、虫歯のリスクなどによって変わってきますので、歯科医とよく話し合って決めるといいでしょう。

歯の定期検診での検査項目

歯の定期検査の際には以下のような項目が検査の対象となり、多方面から口腔内の健康状態をモニタリングします。

  1. 患者さんの健康状態、病歴などの変化
  2. 口腔ガンおよび口腔軟組織病変のスクリーニング
  3. 口腔内レントゲン検査
  4. 歯肉および口腔清掃の状態検査および口腔清掃指導
  5. 虫歯を主体とした歯の状態の検査
  6. 顎関節症の検査

まとめ

最低でも年2回程度の歯の定期検診を行い、一生自分の歯で噛めるように心掛けたいものですね。

[健康な歯でスマイルライフ]

中出 修
福井県出身。1985 年、北海道医療大学歯学部卒業。1993年、同大で博士号を取得後、講師に就任。 2003年、ロマリンダ大学歯学部卒業。歯科医勤務を経て2005年、タコマ近郊に開業。2006年10月にサウスセンターモール近くに移転。 パンパシフィック歯科医院 Panpacific Dentistry 411 Strander Blvd. Suite 207, Tukwila, WA 98188 ☎ 253-243-7748