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新しいタイプの口腔ガン

従来、口腔ガンはガン全体の5%程度で、それほど多いガンではありませんでした。また喫煙者や大酒飲みに多いという統計があり、生活習慣に起因したガンであると言われてきました。しかし近年、新型の口腔ガンが増えており、口腔ガンの概念が変わってきています。今回は新型タイプの口腔ガンを中心に、口腔ガンについて書いていきます。

従来型と新型の口腔ガンを比較すると次の通りです。

新型の口腔ガンはHPV16 が関係したSexually transmitted diseases (STDs)であること多く、急速に患者数を増やしています。比較的稀だった口腔ガンは、ガン全体の6番目に多くなり、全体の口腔ガンの男女比は、従来6:1程度だったものが現在では2:1と、女性の増加傾向が顕著になってきました。

口腔ガンのリスクファクター

喫煙や飲酒、特に両方が重なるとそのリスクは飛躍的に増すと言われています。最近ではHPV感染、その他にも過剰な日焼けが口唇のガンのリスクファクターとして知られ、注意が必要です。またマリファナは口腔ガンの発生を増やすとの報告があります。免疫能力の低下によっても口腔ガンになりやすいので、規則正しい生活習慣や健康な食生活を心がけることは、口腔ガンを予防する上でとても重要です。

口腔ガンの症状

初期は口腔の粘膜に白い斑状の赤い斑状の変化が出ることが多いですが、症状がないことがほとんどです。進行すると予期せぬ出血や麻痺、感覚異常、痛みが、口腔や顔面、首、のどなどに起こります。しつこい痛みや出血が2週間以上続く場合は、要注意です。

口腔ガン検査(Oral Cancer Screening)

アメリカの歯科医師会によれば、アメリカ人の60%が毎年1回は歯科医を受診しているそうです。しかしその中でも、定期的に口腔ガンの検診を実施している歯科医は、子宮ガンや乳癌など他のガンと比べるとまだまだ少ないというのが現状で、アメリカの歯科医師会がその啓蒙活動に力を注ぎ始めています。早期に前ガン状態などの異常を発見できれば、良好な予後が期待できます。皆様も定期的な歯科検診を欠かさず、口腔内の粘膜の異常を早期に発見してくださいね。

[健康な歯でスマイルライフ]

中出 修
福井県出身。1985 年、北海道医療大学歯学部卒業。1993年、同大で博士号を取得後、講師に就任。 2003年、ロマリンダ大学歯学部卒業。歯科医勤務を経て2005年、タコマ近郊に開業。2006年10月にサウスセンターモール近くに移転。 パンパシフィック歯科医院 Panpacific Dentistry 411 Strander Blvd. Suite 207, Tukwila, WA 98188 ☎ 253-243-7748