機械翻訳の精度は飛躍的に向上。でも、よく読むと「あれれ?」な部分も。ちょっとしたコツで見違えるほど自然な日本語に直せる技を紹介します。
【今回の例文】
例文1: Limit one (1) membership per individual and five (5) memberships per company.
例文2: The best time to start was yesterday.
例文3: Depending on where your goods are coming from, confirm whether they can be imported and if they require an import declaration.
【機械翻訳】
例文1: 1個人につき1会員、1企業につき5会員とします。
例文2: 始めるのに最適な時期は、昨日でした。
例文3: 商品がどこから来るかによって、輸入できるかどうか、輸入申告が必要かどうかを確認します。
(DeepL翻訳)
【修正後】
例文1: メンバーシップは、個人会員の場合1名分、企業会員の場合1社につき5名分とします。
例文2: スタートは早いに越したことはありません。
例文3: 商品の輸入元に応じて、輸入許可が下りるかどうか、輸入申告書が必要かどうかを確認しておきましょう。
前回に引き続き、今回も短い文章にチャレンジです。例文は全て、実在するグローバルIT企業のマーケティング文書に出てきたものをアレンジしています。一文だけを抜き出しましたが、実際には前後の脈絡から意味を推測できます。ところが、機械翻訳では前後の内容は反映されないため、直訳調の不自然な日本語になってしまうことも。手直しのコツを見ていきましょう。
今回のポイント
①例文1:会員規約の内容を理解
これは会員規約の説明になります。individualは個人会員、companyは企業会員を指すと理解できれば、適切な表現に修正できるでしょう。
②例文2:慣用句の訳は工夫を
マーケティング文書でよく見かける慣用句です。この後、「The next best time is now.」と続きます。日本語で言うところの「思い立ったが吉日」に近いですね。状況に合わせて、「始めるなら今!」、「今からでも遅くはありません」などとしても良いかもしれません。
③例文3:「輸入元」
機械翻訳でも正確に訳せていますが、やや稚拙な表現です。この場合、前後の文章から「商品の輸入元」としました。よりマーケティング文書らしい表現になったかと思います。
まとめ
短い文章はごまかしが利かない分、技が求められます。読み手には、元の言語も原文も関係ありません。あくまで日本語で読んで自然かどうかを重視しましょう。