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ポストコロナのアメリカ留学

激しいインフレとドル高の影響で、留学生の経済的負担が大きくなっています。学校側はどんな対応をしているのでしょうか?

専門家に聞きました
クローチ貴子■ 2011年よりアソシエイト・ディレクターとしてエドモンズ・カレッジに勤務。現在は進路、4年制大学編入、イミグレーションについてのアドバイザーを務める。

Edmonds College
20000 68th Ave. W., Lynnwood, WA 98036
☎425-640-1518、takako.croce@edmonds.edu(クローチ貴子)

日本からの留学生、
ようやく渡米も円安の加速に悲鳴

コロナ禍で留学機会が得られずにいた学生も、晴れてアメリカへ。ところが、今度はドル高や世界的な物価高が足かせになっています。その対策としてエドモンズ・カレッジでは、さまざまな奨学金制度を新設しています。

奨学金が充実するエドモンズカレッジには留学生も多数

1)留学生全員に返済不要の奨学金が!
2025年春学期までに入学する留学生には、最大1,500ドルの奨学金(1学期につき500ドル、最大3学期分まで)があります。フルタイムの留学生(12クレジット以上履修)なら申し込みも不要で、自動的に支給されます。

夏学期を利用してお得に留学寮生活を

2)優秀な留学生のための奨学金も返済不要
GPA3.3以上で入学する留学生を対象に、1,000ドルを支給。GPA3.5以上であれば、学長から1,000ドルの支給も。在学生はGPA3.5以上で300ドルの支給となります。いずれも申し込みが必要で、毎学期に選考が行われます。

3)夏学期は留学生にも居住者向け授業料を適用
夏学期からの入学でフルタイム学生として12クレジット以上を履修すると、居住者向けの割安な授業料で済みます。たとえば、フルタイム15クレジットの履修では、通常約3,600ドルのところが約1,600ドルと、大幅に節約できます。

4)キャンパス内の寮費を返済不要の奨学金でカバー
エドモンズ・カレッジは2つの寮を完備していますが、夏学期から入居する新入生には500ドルの奨学金が出ます。さらに、1年の契約で、夏学期の寮費が半額になります。

あらゆるものが高騰する中、日本からの留学生が実際に取り入れている節約法がこちら。留学での生活費を抑えるためのコツがいくつかあるので、参考にしてみてください。

▪️奨 学 金
エドモンズ・カレッジには留学生も受給できる奨学金がたくさん! 私は「FD Annual Scholarship」と呼ばれる奨学金により、年間1,600ドルを受け取っています。一般的に奨学金の選考では、学業はもちろん、スポーツや科学など何かの分野で秀でていることが求められ、理系であれば枠が多いようです。しかし、まだチャンスは残されています。私も成績を基に支給される奨学金をゲットできました。特殊な能力がなくても、好成績を目標にして、奨学金がもらえるよう頑張ってみてはいかがでしょう。

▪️食費
物価上昇が続いていますが、もともとアメリカは日本とは比べ物にならないくらい外食が高くつきます。そのため、自炊は必須! 外食の出費を抑えられれば大きな節約につながります。エドモンズ・カレッジには、週に1度利用できるフードバンクがあり、ここで野菜やパスタ、お米をもらえます。自炊中心にしたら、1カ月の食費がたった20ドルという月もありました。

また、日本食にこだわると、どうしても調味料や食材が高くなってしまうので、エスニック料理やメキシコ料理など新しい味覚を楽しんでいます。週4日の通学でランチを外食にすると、平均13ドル、ひと月で約200ドルかかりますが、お弁当を持参することで節約上手になれますよ。


ザグリーンチームのメンバーと

▪️アルバイト
現地でお金を稼ぐことができれば、円安の悩みも解決します。留学生でも、学校が募集している仕事なら働けるので、イベントの運営、受付、ショップ店員など、どんどんチャレンジしましょう。給料は1時間当たり15ドルほど、1週間で19時間まで働けます。ひと月で1,000ドル近く稼ぐことも可能です。

アメリカで働くことで英語力を高められますし、何よりアメリカの職場環境を知る機会にもなり、かなりおすすめです。私も、学生にリサイクル、地球環境保護、生態系維持の重要性を伝える啓蒙活動をしている、ザ・グリーンチームという環境保護推進クラブのイベント・コーディネーターとして働いています。面接を受けるのは、少しハードルが高いかもしれませんが、試してみる価値はあります。



山本拓未■奈良県出身。モンタナ大学に1年通い、コンピューター・サイエンスを学ぶため、エドモンズ・カレッジに入学し、在学2年目。4年制大学に編入し、学士号を取得予定。

人気のアメリカ留学先のひとつ、シアトル。日本の大学に通った経験があれば、アメリカの学生生活との差に驚くことでしょう。ベルビュー・カレッジに通う日本からの留学生のリアルな声を集めました。

アンケートに協力してもらったのは、ベルビュー・カレッジの日本人留学生たち:K・Oさん(♂・静岡大学)、T・Tさん(♂・慶應義塾大学)、K・Iさん(♀・東京外国語大学)、Y・Iさん(♀・大阪大学)