機械翻訳の精度は飛躍的に向上。でも、よく読むと「あれれ?」な部分も。ちょっとしたコツで見違えるほど自然な日本語に直せる技を紹介します。
【今回の例文】
Wikipedia:Wikipedia’s purpose is to benefit readers by acting as a widely accessible and free encyclopedia; a comprehensive written compendium that contains information on all branches of knowledge.
Nike:BRING INSPIRATION AND INNOVATION TO EVERY ATHLETE* IN THE WORLD
*IF YOU HAVE A BODY, YOU ARE AN ATHLETE.
DoorDash:DoorDash is a technology company that connects people with the best in their cities. We do this by empowering local businesses and in turn, generate new ways for people to earn, work and live.
(出典:各社ホームページ)
【機械翻訳】
ウィキペディアの目的は、広くアクセス可能な無料の百科事典として機能することで、読者に利益をもたらすことです。あらゆる分野の知識に関する情報を含む、包括的な文章による大要。
世界中のすべてのアスリート*に感動と革新をもたらす。*身体を持っていれば、あなたはアスリートです。
ドアダッシュは、人々とその都市の最高のものを結びつけるテクノロジー企業です。私たちは、ローカルビジネスを強化することで、人々の収入、仕事、生活のための新しい方法を生み出しています。
(DeepL翻訳)
【修正後】
ウィキペディアは、多くの人が無料でアクセスできる百科事典です。あらゆる分野の知識と情報を網羅し、包括的にまとめた文章を通じて利用者に便益をもたらすことを目指しています。
世界中の全てのアスリートたち*に、感動とイノベーションを。*肉体さえあれば、誰もがアスリートです。
DoorDashは、各都市で最高のものを人々と結び付けるテクノロジー企業です。新しい方法でローカル・ビジネスを支援することで雇用を生み出し、人々の豊かな暮らしを実現させます。
今回は、企業のミッション・ステートメント(経営理念)を取り上げてみました。短い文章の中に、その企業が達成したい目標、行動指針、ビジョンが含まれ、存在意義そのものが凝縮されています。
今回のポイント
① Wikipedia
セミコロンに続く「a comprehensive written compendium」は、その前のencyclopediaを言い換えたものです。堂々と「無料」だと掲げていますので、この先も有料版の発行は考えていないことがうかがえます。
② Nike
さすがにセンスが光ります。一見、スポーツに真剣に取り組む「アスリート」だけを対象にしているように思わせておいて、実はあなたも私もみんながアスリートですよ、とわかる構成になっています。
③ DoorDash
最初にテクノロジー企業だと言い切っているところに、気概とプライドを感じますね。フード・デリバリー業界で圧倒的なシェアを持つ同社ですが、foodやmealではなく、あえて「the best in their cities」と表記していることから、配達するものは食事だけにとどまらず、今後も分野を拡大していくことが読み取れます。
まとめ
ミッション・ステートメントには、その会社の価値観が過不足なく反映されています。あれもこれもと入れてしまいたくなるものですが、簡潔でありながら必要な情報が全てわかることが理想。こうした文章を多く読み込むと、自分で書く練習にもなるでしょう。