ワシントン州ピュアラップ-12月8日(火)、会場いっぱいの観客の前でR.J.・マウント君は演奏を終えた。
「うん、少し緊張しているよ」。R.J.君は彼にとって初めての公演の前にそう言った。公演はピュアタップにあるスタール中学校で行われた。
13歳のR.J.君は、先天性多発性関節拘縮症という関節の動きが制限される病気を患っており、腕をあげることができない。
そこで、ブラスバンドの教師、キャサリン・ローさんは彼がチューバを演奏できるように、ペダル操縦式の装置を作ったのだ。
全ての始まりは、9月にR.J.君が色々な楽器を試しているときだった。
「彼が『このチューバ、吹いてみていい?』と言うので、わたしは『もちろんよ』と答えたわ」とローさんは当時を振り返る。 「私たちは彼がチューバを吹けるように持ち上げて、彼に吹かせてみたの。そしたらとても素晴らしい大きな音が響き渡ったのよ。彼の目は輝いたわ。そして私の目もね」
R.J.君がチューバの練習をし始めて約3週間が経つ。楽器の演奏のほかにも、彼は器用に足を使い、ビデオゲームをしたり文字を書くことができる。
彼の父親、ロバートさんは息子のしていることに特別驚かないという。「R.J.が幼い時に『自分にはできない』という言葉は使ってはいけないことにしたんだ。だって、何でもできるんだから」
R.J.君は家族の支えと先生が作った装置に感謝を表している。
「僕がやろうとしていたことが簡単なことじゃないって、わかっていたよ。でも、難しいとわかっていることに挑戦するのが楽しみだったんだ」と彼は言う。
ローさんはこの装置に特許を申請したと述べている。
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