アメリカは今、ホリデー・シーズン一色!シアトルのパシフィック・ノースウエスト・バレエ(PNB)では 11月24日からクリスマスの風物詩「くるみ割り人形」の上演が始まりました。今年で45周年を迎えるPNB。多くの人々を魅了し続ける、その秘密とは?
取材・文:濱 杏林咲 写真クレジット:© Angela Sterling
ファンタジーが生み出す新しい世界
「子どもと、童心を持った大人に向けた作品」とうたう PNBの「くるみ割り人形」は、小道具、衣装、演出に至るまで 全てが遊び心であふれている。天井まで届くほどのクリス マスツリーに荘厳な雪景色といった舞台セットは、まるで魔法にかけられたよう。CG映像も相まり、映画を見ているような感覚におちいる。振り付けは、20世紀を代表する振付家、ジョージ・バランシン氏によるもの。かわいい子役たちが跳ねたり駆けたりする姿に、客席はほほ笑みと笑いに包まれる。また、色とりどりの衣装を身にまとったダンサーが、難易度の高い技を成功させると歓声が沸き、舞台と観客が一体となって公演が盛り上がる。クラシックバレエの枠を超えたエンターテインメント性が感じられるのは、「魅せる」バレエを意識したバランシン作品ならではだ。
家族でバレエを楽しむアメリカ
日本でクラシックバレエと言えば、観客は経験者か、趣味で好む一部の人々だ。一方、アメリカでは家族や恋人同 士が目立ち、多くの人にとって身近なもの。この国では、クリスマスは家族と過ごす大事なイベントだ。 PNBの「くるみ割り人形」では、特に親子での来場が多 く、ダンサー顔負けのきらびやかなドレスに身を包んだ子どもたちがいて驚く。アメリカならではのホリデー・シーズンの過ごし方を、家族や大切な人とシェアしてみてはいかがだろう。
くるみ割り人形 George Balanchine’s The Nutcracker®
- 開催中〜12月28日(木)
- 場所:Marion Oliver McCaw Hall at Seattle Center
- 321 Mercer St., Seattle, WA 98109
- チケット料金: $26〜$180
- ☎: 206-441-2424
- ウェブサイト: PNB the Nutcracker