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カナビス(医療大麻)ツアー

Delta9匂いをかぐ今年6月、ワシントン州で娯楽用マリファナの一般販売・使用が解禁になり、小売店を筆頭にいろいろなマリファナ関連の新ビジネスが開業している。マリファナ・ツアーもその一つ。今回は、シアトル観光の新しい目玉になりつつあるマリファナ・ツアーに興味津々で出かけた。

Delta9プロダクト1 参加したのはクッシュ・ツーリズム(Kush Tourism)というツアー会社が敢行している「カナビスツアー」と呼ばれるもの。カナビスとは植物の大麻を意味する。マリファナが乾燥大麻を指すので、普通はカナビス・イコール・マリファナと受け取ってよさそうだ。さて、今回の参加者はフロリダから旅行中のカップルとソイソース取材班2人の計4人。カップルは近々フロリダで医療用マリファナの小売店を始める予定で、カナビスビジネスに関する情報収集とシアトル観光を兼ねて参加したそうだ。

集合場所はインターナショナルディストリクト近くの吹きガラス工房、7ポイント・スタジオズ(7 Point Studios)。この工房にはシアトルでも指折りのガラス・アーティストたちが在籍していて、様々なガラス製品を制作している。ここでツアーの概要について説明を受ける。

エクストラクト(ケース入り)1 ガイドのチェイス・ノーブルさんはマイケル・ゴードンさんと共同でこのクッシュ・ツーリズムを今年1月に設立。テストツアーを経て3月から正式に営業を開始したそうだ。ツアーは基本的に、参加希望者の要望に応じて企画され、日程や時間帯を指定することができる。1回の参加者は2名から7名の少人数だそうで、「50代くらいの裕福な人が多いね。弁護士や医者、地主といった人たちが主かな。これからビジネスを始めるにあたって業界の動向や知識を得ようという人も多いよ」。

店内1 この日の参加者は、フロリダから来たというカップルと私たち取材班2人の計4人。
カップルは、近々フロリダで医療用マリファナの小売り店を始める予定で、カナビスビジネスに関する情報収集とシアトル観光を兼ねて参加したとか。ワシントン州からは観光事業を強化する目的で補助金も出ているそうで、「州外、国外からのお客さんが多いんだよ」とチェイスさんは言う。

ショップで生まれて初めて匂いを嗅ぐ

Delta9マリファナ陳列 カナビスツアーという文字と大麻の葉っぱが車体に描かれたバンに乗り込み、チェイスさんの運転でいよいよ出発。道行く人がバンを見て笑っているのが目につく。最初に訪れたのはインターナショナル・ディストリクトにあるマリファナ関連器具を扱うライフスタイルショップ、トライコム(Trichome)。店内は、ハイエンドなアパレルショップのような雰囲気で、パイプやマリファナ入りスナックなどに混じって、帽子やシャツ、バッグなどの販売もしている。マリファナ関連商品で思い浮かぶのが様々な色や形のガラス製の水パイプだが、同店には無色透明で上品なデザインのパイプが陳列されていた。フランス製だそうで、コレクションしたくなるような美しさだ。

店1 奥のロフトに上がっていくとそこには吸引器具が置いてあり、マリファナ体験ができるようになっている。用意されていたのは、植物から抽出されてオイル状になったマリファナを電気で温めて気体を吸い込むバポライザーという吸引具。店のオーナーのリチャードさんに「このオイルはすごく凝縮されているから、効果も強いし長続きするけど、その分ちょっと強すぎるから、吸ったことのない人にはおすすめできない」と言われ、未経験者の私は匂いだけ嗅ぐことに。恐る恐るオイルに鼻を近づけると、意外にもラベンダーのような爽やかな香りがした。同店ではこのオイルを小さな容器に入れたものが売られており、匂いを嗅いで楽しんだり、バポライザーに入れたりして使うらしい。ここでは、初心者はマリファナを吸う上での注意も含めて、いろいろ教えてもらえる。

医薬用マリファナ専門店で驚きの連続

次の目的地、フリーモントに行く途中、ケリーパーク(Kelly Park)へ立ち寄った。移動中、チェイスさんはシアトルの歴史や、スペース・ニードルにまつわるエピソードなどをユーモアを交えながら語る。シアトル観光を楽しめるのもこのツアーの魅力だ。この日は快晴で、公園からはシアトルの景色を一望できた。それまで実感はなかったものの、免疫のない私はマリファナの匂いを嗅いだだけで少しぼーっとしていたらしく、外の空気を吸うとすっきり。みんなが新鮮な空気を吸って頭をクリアにしたところで、フリーモントにあるカナビス専門店デルタナイン(DELTA 9)へと向かった。一般人は入店できないため、ツアーならではの特典だ。
出迎えてくれたのは、販売員のメラニー・トーマスさん。同店は医療用マリファナのみ扱っており、医師の推薦状をもらった人しか利用できないそうだ。薄暗い店内は昔の薬局を思わせるつくりで、こぢんまりしているものの、棚には全部種類が異なるという乾燥カナビスの入ったガラスの容器がずらりと並ぶ。カナビスは植物の種類によって効能が異なり、腰痛、頭痛、肥満などの症状から、ガンやHIVまで様々な病気に有効だそうで、メラニーさんは実際の患者を例に挙げて、劇的な効き目について話してくれた。医療用といってもちょっとした痛み止めくらいだろうと思っていた私たちは、治癒効果があると聞いて驚かされた。同店の商品は全て品質テストされているそうで、チェイスさんは「医療用カナビスを扱う店は他にもたくさんありますが、ここは本当に信頼できる所なのでツアーに取り入れたんです」と太鼓判を押す。

匂いを嗅ぐだけでも体に良いとメラニーさんが言うので、5、6種類嗅いでみることに。種類によって香りが異なるそうだが私にはどれもお香のような強い匂いで、違いがわからない。ただし、嗅ぎ終わった後しばらく頭がフラフラした。吸引器具、カナビスを混ぜたブラウニーやケーキなども販売されている。マリファナ入りの食べ物と聞くといわゆる「ハイ」になりそうなイメージがわくが、医療用の商品にはハイにはならないものもあるとか。ここでは本当にいろいろなことが学べた。

マリファナ売り切れのマリファナショップ

次に立ち寄ったのはシアトルダウンタウンの南、ソードー(Sodo)地区にあるカナビス・シティ(Cannabis City)。7月8日にシアトルで最初にオープンした娯楽用マリファナ販売店だ。店に入るなり年齢証明(ID)チェックをされた後、販売員から「今、マリファナは売り切れなんだ。アクセサリー類は売っているから、よければ見ていってよ」と一言。マリファナ出荷に必要なライセンスの取得が難しいために、充分な量が市場に出回っていないのがその原因で、毎週金曜に仕入れた商品が翌日の土曜日には売り切れるのだという。それでも店には10人ほどの客がいて、専用のガラスパイプやバポライザーなどを物色していた。

最終目的地は、スタート地点の7ポイント・スタジオズ。ここでガラス工房を見学。日によってはガラス吹き体験もできるそうだが、残念ながらこの日はお休み。ガラスで作ったスターウォーズさながらの刀を持たせてもらって記念写真をパチリ。3時間にわたるマリファナ・ツアーが幕を閉じた。

今回のツアー中、チェイスさんが一貫して強調していたのは商品のクオリティ。「僕はこのツアーで、マリファナの消費を促したいわけじゃない。ただ、もっといろんな人にマリファナのことを知ってもらいたいんだ。だから、質の高い商品を扱っている店とだけ契約してツアーを企画しているんだよ」

クッシュ・ツーリズムではこのツアーの他にも、オーガニックファーム体験やプライベートツアーなどいくつかのマリファナ関連ツアーを用意している。

日本では触れることさえできないマリファナについて、正しい知識を得ることができる貴重なツアー体験だった。

Kush Tourism

kushtourism.com

マリファナ体験者の声

「マリファナって吸ったらどうなるの?」そういう疑問を持つ人も多いのでは。そこで、マリファナを体験した人たちの声を集めてみました。

  • 頭が気持ちいい具合に圧迫されたようになる。
  • 頭の中の焦点を合わせようとしても 合わなくなって、いろいろ考えようとしても考えられなくなり、次第に考えること自体をやめるようになる。
  • 時間の流れが分からなくなる。例えばソファに座っていると、どれくらいの間座り続けていたのか分からなくなる。
  • 五感が過剰に刺激される。
  • 目の焦点を合わせようと努力しても合わなくなる。
  • 音楽を聴くと身体全体で音楽を感じているような感覚になる。
  • 特定の食べ物をおいしいと感じる。例えばアイスクリームのように甘くて冷たいものを食べると、その甘くて冷たいという刺激が心地よく、非常においしく感じられる。
  • 使用するほど身体が慣れてくるので、同じ量では効きにくくなり使用量が増える。
  • 何かを食べ出すと止まらなくなる。俗に言うマンチーズという現象。ドリトス大袋1つ、パン1斤を一度に食べたことがある。食べることに限らず、その時点での感情や行動がインテンスになる。例えば笑い出すと止まらないようなこともある。
  • 眠くなって寝つきが非常によくなる。特に効き目の強いものを吸った時には、20時間ぐらい寝た。二日酔いのような後遺症はない。
  • 触感などすべての感覚が増幅する。