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特集 薬膳で作る(しんコロさんの)愛妻弁当

SS-2016.05-min

 

 

葵清蓮さんに聞く 薬膳で作るお弁当作りのコツ

取材・文:越宮照代

医食同源と身土不二をベースに料理作り

薬膳調整師と漢方コーディネーターの資格を持っているという葵清蓮さんのお弁当作りは「薬膳の基本にある医食同源と身土不二(しんどふじ)がベース」だという。医食同源とは薬も食べ物も健康の源であるという漢方の考え方。そのため「普段から添加物が入っているものはできるだけ使わないように、オールナチュラルで食事を作るように心がけていています」。
また、身土不二というのは、身体と土地は切り離すことができないものなので、生まれ育った場所の食事が身体に一番いいとされる考え方だ。「私たちは日本人だから日本食が一番合うんですね。ですから、海外生活の中でもなるべく和の食材を取り入れて日本食を作るようにしているんです」。と同時に、その土地の旬のものを取り入れるのも大事なのだそうだ。

5色の彩りでバランスのよい献立に

献立のバランスのよさだけでなく、弁当箱に詰めるのにも気配りをしている。例えばおかずとおかずの仕切り。プラスチック容器は使わずチンゲン菜などの青野菜を仕切りに使っているため、彩りがきれいなうえに無駄がないのだ。「こうすると全部食べてもらえるので、お弁当箱が空になって戻ってきて嬉しいんですよ」
もうひとつのポイントは、弁当作りで一番と言ってもいいほど大切にしている彩りだ。「薬膳の中で五行説というのがあるんですが、その中の基本の5 色が青、赤、黄、白、黒で、この5 色を1 日の食事で取ると身体にいいと言われています」。青は緑のことだが、ふと「黒の食材?」と首を傾げた。「黒ゴマ、キクラゲ、黒酢、ヒジキなどがありますね」と言われてなるほど。「黒食材は女性にすごくいいんですよ。薬膳の中だと黒食材はアンチエイジングと言われて老化防止にもいいんです」。さらに腎臓の働きに影響する色でもあるそうだ。

ランチが楽しくなるようなお弁当を

葵さんは、新鮮なものを食べて欲しいからと、朝起きてから弁当作りをするのだが、その作っているところをしんコロさんには見せない。「お昼に開いたときに楽しみにして欲しいから」というのが理由。
「絶対に見てはだめ」というお達しを受けているとかで、「こっそり覗いて鶴になって飛んでいかれては困るので、見ません(笑)」としんコロさん。

愛妻弁当の感想は?

「一言でいったら癒しですね。お弁当箱も日本から持ってきてくれたものなんですけど、盛り付けの仕方もそうですし、僕を喜ばせようって気持ちがこもっているのがわかるので、開いた時にほっとしますね。周りは外国人ばかりの職場環境なんですが、お昼にお弁当を開くと日本を思い出し、妻を思い出し、本当に幸せな時間になります」
しんコロさんは弁当を写真に撮って「おいしかったよ」の言葉といっしょに葵さんにメールを送るそうだ。それを受け取った葵さんは、「すごく嬉しくて、また明日も作ろうっていう気持ちになります」

家族写真 インタビューの中に組み込むs-min