エココンシャスなシアトルっ子はイートローカル、つまり地産地消にも敏感。今回は、中でもその傾向の強いキャピトルヒルで、イートローカル度の高い店を探してみました。あなたのお気に入りはどれ?
- カート・ファーム・ショップ
- テラ・プラータ
- シアトル大学 (チェリー・ストリート・マーケット)
- ホットケークス・モルテン・チョコレート・ケーカリー
- メルローズマーケット
- ワンダリンググース
- エリージャン
- ハロー・ロビン
- コーン・アンド・ステイナー
- ジェネラル・ポーポイズ・ドーナツ
※取り扱い食材のローカル度を で表示
カート・ファーム・ショップ
K u r t F a r m S h o p
1424 11th Ave., Ste C2, Seattle, WA 98122
営業時間:毎日11am〜10pm
kurtwoodfarms.com
1924年建造のビルを改築した商業施設「チョップハウス・ロー(Chophouse Row)」の1階に位置する小さなアイスクリーム店。
この店で特筆すべきは、牛乳、フルーツなど、アイスクリームに使用するすべての材料を、オーナーであるカートさんの自家農場「カートウッド・ファーム(Kurtwood Farm)」で生産しているという点だ。「地元産の材料を使う店はあっても、生産から販売まで全てをカバーしているのは珍しいでしょう。チョコレート以外は全部うちの農場でとれるものだけを使っているんですよ」
シアトル生まれのカートさんは、ウェイターや厨房での経験を経て、24歳の若さにして自身のカフェをオープン。18年間、カフェ経営の傍ら農業を学び、1991年にバションアイランドへ移住した。「最初は4エーカーほどの土地でブラックベリーを栽培し、ナッツ、野菜、ハーブなど、徐々に種類を増やしていって、2003年には農業をフルタイムで行うことに決めました」。 その後、酪農をスタート。原材料も生産も自家製にこだわったクラフトチーズはじわじわと話題を集め、現在では、ホールフーズなどの小売店や、シアトルの人気レストランに商品を卸すブランドにまで成長している。
カートさんイチオシのフレイバーは、そんな絶品チーズを使用したフローラズ・チーズ(Flora’s Cheese)。クリーミーなアイスと、細かいチーズのチャンクが絶妙で、甘塩っぱさがクセになる! 爽やかなストロベリーやトマトジャムと合わせるのもおすすめだ。そのほか、店頭には常時10〜12種類が揃う。毎日店の裏の厨房でアイスを作っているので、メニューは季節ごと、週ごと、ときには日ごとに変わることもあるそうだ。
「アイスクリームのすごいところは、あらゆる人を笑顔にできることだと思うんです。以前経営していたレストランやカフェは限られた人にしかサーブできなかったけれど、この店では性別、人種、世代を超えて、みんなをハッピーにできるからね!」
テラ・プラータ
T e r r a P l a t a
1501 Melrose Ave., Seattle, WA 98122
営業時間:月5pm〜11pm、火〜木11am〜12am、金11am〜1pm、
土9:30am〜1pm、日9:30am〜11pm
☎206-325-1501
terraplata.com
テラ・プラータは野菜、肉、魚介類から、ワインやビールまで、ほとんどがローカル産というこだわりのレストラン。季節ごとに旬の野菜を調達、その日の朝に仕入れたばかりの新鮮な食材を使っている。
プルドポークのサンドイッチ(Pulled Pork$15)は、BBQソースでしっかりと味付けされたポークが、パンの上にこれでもかとトッピングされており、食べ応え抜群。パンはジャガイモから作られたホームメイド。もちもちした食感が特徴で、BBQソースが染み込むと、よりいっそうおいしく味わえる。付け合わせのポテトチップももちろん手作りで、スライスされたポテトはパリッとした堅焼き。
ムール貝とアサリ (Mussels & Clams$18)のプレートには、ピュージェットサウンドのペンコーブで水揚げされたムール貝が贅沢に使用されており、粒の大きい、丸々とした新鮮なムール貝を味わうことができる。ハーブでしっかり味付けされたひき肉も入っていて、海の幸と陸の恵みをひとつのプレートで味わえる贅沢な一品。ハーブの香りがしっかり効いたスープはエスニック風味。
シンプルながらも素材本来の味を楽しむことができるシシトウの素揚げ(Blistered Shishito Peppers$9)は、さっと揚げられた出来立てのアツアツ。農家から直接仕入れたというシシトウはとても甘く、粗塩がかかっていて、付け合わせのレモンとマヨネーズだけで十分おいしくいただくことができる。奥行きのある店の二階部分にはテラス席と自家菜園が共存。料理で使用する色とりどりの花やハーブなどが育てられている。天気の良い日にはテラス席を使いたい。
シアトル大学 (チェリー・ストリート・マーケット)
S e a t t l e U n i v e r s i t y
:The Cherry Street Market
901 12th Ave., Seattle, WA 98122
営業時間:朝食 月〜金7:30am〜9:30am、
土・日7:30am〜9:00am
コンティネンタル朝食 月〜金9:30am〜11:30am
ランチ 月〜日 11:30am〜1pm
ディナー月〜日 5:30pm〜6:30pm
☎206-296-6000
su.cafebonappetit.com
この夏、西海岸の優良カレッジランキングで8位にランクインしたシアトル大学。実はカフェテリアにも定評があり、「西海岸でNo.1のフードサービスを提供する大学」に認定されている。学内にいくつか点在するカフェテリアのうち、最も大きなものが学生棟2階の「チェリー・ストリート・マーケット(Cherry Street Market)」で、朝昼晩と1日3食を提供している。18種以上の野菜が並ぶサラダバー、注文が入ってから目の前でグリルする本格バーガーに、インド式カレー、野菜たっぷりのサンドイッチなど、レストランビュッフェ顔負けの品揃え! 無料のフルーツフレイバー・ウォーターまで用意され、とにかくおしゃれで、学食とは思えないクオリティに驚かされる。
実はこのカフェテリア、ボナペティ(Bon Apetit)というカリフォルニア発の、企業や大学内に地元産の食材を用いたフードサービスを提供するマネジメント会社が運営している。「どの施設も地元産食材を最低20%以上使用するのが原則ですが、実際はそれ以上の量を仕入れており、空輸される食材は一切使用しません。シアトル大学では野菜や果物に加え、肉や魚介類もローカル産にこだわっていますよ」。そう語るのは、シアトル大学ボナペティのゼネラルマネージャー、ジェイ・ペインさん。自身もシェフとして働いた経験を持つジェイさんは、ローカル食材を積極的に消費するイート・ローカルの動きに大賛成だという。
「地元で栽培される野菜というのは、輸送販売されるために作られたものとは、まったく質が異なります。例えば、地元で獲れるトマトやニンジンは食感もよく、甘いですよね。農家の畑からテーブルに並ぶまでの時間が短いと、一番おいしいタイミングで収穫することができるんです。食材を輸送するのに使用されるエネルギーや、発生する二酸化炭素のことを考えると、地元の食材を食べるということは、環境を守るという視点から見ても素晴らしいこと。食に関わる者として、学生たちにおいしくヘルシーで、地域と地球に貢献できる食事を提供できることは、とても意味深い経験だと思っています」
ホットケークス
モルテン・チョコレート・ケーカリー
H o t C a k e s
Molten Chocolate Cakery
1650 E. Olive Way, Seattle, WA 98102
営業時間:月〜木12pm〜11pm、
金12pm〜12am、土10am〜12am、
日10am〜11pm
☎206-258-2591
getyourhotcakes.com
2008年にオータム・マーティンさんによって作られたこだわりのチョコレートスイーツ店「ホットケークス–モルテン・チョコレート・ケーカリー」。自慢のチョコレートを使ったスイーツは注文してから作るため時間はかかるものの、待ったかいのある深い味わい。いずれのスイーツもメイソンジャーに入っていて、見るからに可愛らしい。またGMO(遺伝子組み換え作物)は一切使っていないのも安心できる。
同店の、甘みを抑えた濃厚なチョコレートを存分に味わうことができるのが、マムズ・チョコレート・プディング(Moms Chocolate Pudding$9)。トッピングのバニラアイスクリームと、塩味のカリカリしたキャラメルフレークが、プディングとマッチしてよりおいしくいただける。
季節限定のキャラメル・アンド・アイスクリーム(Seasonal Caramel & Ice Cream$9)は、バニラアイスクリームをキャンプファイヤー、ジュニパーベリー、ホワイトセージの3種類のキャラメルソースとともに味わうのだが、中でもキャンプファイヤーは燻したような香ばしさが特徴だ。
夜は10時まで営業しており、カクテルやワインなどのアルコールも豊富に取り揃えているので、お酒を飲みながらスイーツを味わう大人の楽しみ方も乙なもの。
メルローズマーケット
M e l r o s e M a r k e t
1531 Melrose Ave., Seattle, WA 98122
melrosemarketseattle.com
営業時間:
Homegrown 毎日8am〜8pm
☎877-567-9240
Rain Shadow Meats 月〜水12am〜7pm、木〜日10am〜7pm
☎206-467-6328
メルローズマーケットは、ビル全体がローカルにフォーカスした食材、料理、商品を提供する市場のようなところ。中には、生花店、園芸用品店、バー、レストランなど様々な店舗が8軒並んでいる。
ホームグロウン
2009年にフリーモントにオープンし、翌年メルローズマーケット内に2店目を構えたサンドイッチの専門店。オーガニックのミルクと卵で作られた生地のパンは、サンドイッチとして食べるにはもったいないほど。挟まれた野菜はフレッシュで、野菜本来の旨みがしっかり味わえる。カラフルな野菜がたっぷり盛られたサラダボウル、スープなどもあり。ケータリング可能。
レイン・シャドウ・ミーツ
ワシントン州やオレゴン州の契約農場から仕入れた生肉を扱っている、街中では珍しい精肉専門店。店頭には、何種類もの生肉がずらりと並び、高級部位のニューヨーク・ストリップステーキ(New York Strip$21.99/lb.)、リブアイ(Ribeye Steak$21.99/lb.)、チーズとスパイスが効いたソーセージ(Green Chili & Queso$11.99/lb.)などが揃っている。同店は量り売りのみ。扱っている商品の一部を、同じマーケット内のホームグロウンに提供しており、サンドイッチの具として使用している。
ワンダリンググース
W o n d e r i n g G o o s e
403 15th Ave., E., Seattle WA 98112
営業時間:月〜木7am〜4pm 金7am〜4pm、
5pm〜9pm 土・日7am〜4pm
☎206-323-9938
thewanderinggoose.com
大きなアヒルの看板が目印のブレックファスト&ブランチカフェ。ノースカロライナ州出身のオーナー兼シェフのヘザーさんが、幼少期から慣れ親しんだアメリカ南部の家庭料理を提供する。素材は州内外の農家から直接仕入れ、主に野菜やチーズなどがワシントン州産。ハチミツに至っては店舗屋上の養蜂箱で採取する自家製のHeather’ s Honeyを使用している。ヘザーさんは絵本作家でもあり、店内はまるで童話の世界から飛び出したようなかわいさ! おひとり様から家族連れまで、早朝から多様な客層で賑わっている。肝心の食事はというと、こちらは兎にも角にもビスケット・サンドイッチが絶品!
バターとホームメイドのベリージャムをはさんだオリジナル(The Originals $4.25)は、ずっしり重いビスケットのイメージを覆す、フワフワ、サクサクの食感がヤミツキに。南部料理の王様フライドチキンに、ピクルスフライ、自家製マスタードとHeather’ s Honeyを合わせたアント・アニーズ(Aunt Annie’s $14)、クリーミーなグレイビーがたっぷりかかったビスケット&グレイビー(Biscuit Gravy $9)など、男子の胃袋を満たすガッツリ系メニューも充実している。
エリージャン
Elysian Capitol Hill Brewery
1221 E. Pike St., Seattle, WA 98122
営業時間:月11:30am〜2amごろ、
火〜金11:30am〜2am土12pm〜2pm
日12pm〜2pmごろ
☎206-860-1920
elysianbrewing.com
シアトル・クラフトビール界のパイオニア、ディック・キャントウェルが1996年に設立したブルーワリー。主にワシントン州産のホップを使用し、これまで350種ものクラフトビールを生み出してきた。もとは中型のビアパブとしてスタートし、現在シアトルに4カ所のビアホール&バーを構えるが、キャピトルヒル店は“元祖”のロケーション。築1919年の建物をリノベーションした店内は全220席と広々で、醸造所も併設。ガラス越しにステンレスの巨大タンクを見物するのも楽しく、クラフトビール好きなら訪れておきたい一軒だ。ドリンクはとにかく種類が豊富なので、迷ったらサンプラー(Sampler)を。好きなビールを5種自由に選べて9ドルと、とってもお得!
ハロー・ロビン
H e l l o R o b i n
522 19th Ave., E, Seattle, WA 98112
営業時間:毎日9am〜23pm ☎206-735-7970
hellorobincookies.com
シアトル発のアイスクリーム店といえば、必ずその名が挙がるMolly Moon’ s。材料にはワシントン州の契約農家から直送される牛乳、ハチミツ、ベリーなどを使用し、チョコレートはTheoから仕入れるなど、徹底したローカル志向を貫く行列店だ。そんな大人気のアイスクリームを手作りクッキーでサンドした、アイスクリームサンドイッチが味わえるのがハロー・ロビン。2013年のオープンよりたちまち話題となり、2015年には「Seattle Magazine」のベストクッキー部門を受賞した。アイスクリームサンドッチ(Ice Cream Summies)は、好きなクッキー2枚とアイスクリーム1種を選んで5.45ドル。クッキーのみの購入も可能で、1枚1.65ドル〜販売している。
コーン・アンド・ステイナー
C o n e & S t e i n e r
526 19th Ave. E., Seattle, WA 98112
営業時間:毎日8am〜10pm ☎206-582-1928
coneandsteiner.com
とれたての果物からアルコール、生花、雑貨までを取り揃えている食料雑貨店で、ちょっとお洒落なご近所の何でも屋さんという雰囲気。ローカルの食材はもちろん、なかなか手に入らない世界各国の調味料などもある。特にこだわりの材料で作られた惣菜がテイクアウトできるのが人気。忙しい人にはぜひ利用してもらいたい。アジアンパスタ(Small Asian Noodle$3.25)からチキンシーザーサラダ(Chicken Caesar Salad$6.99)、ルーベンサンドイッチ(Reuben$9.49)などバリエーション豊富。どれも繊細な味付けで、ついついリピーターになってしまいそう。
イートインスペースもあり、日替わりのスープ、パンからカスタマイズできるサンドイッチなどが食べられる。
ジェネラル・ポーポイズ・ドーナツ
General Porpoise Doughnuts
1020 E. Union St., Seattle, WA 98122
営業時間:毎日7am〜3pm ☎206-900-8770
gpdoughnuts.com
かわいい鯨がトレードマークのドーナツ専門店。チョコレートマシュマロ(Chocolate Marshmallow$4.20)、レモンカード(Lemon Curd$4.20)、バニラカスタード(Vanilla Custard$4.20)の3種類が同店の看板商品となっている。地元の卵やミルクがふんだんに使われているドーナツの生地は、優しい甘さとしっとりした食感。州内の農家から取り寄せている旬の果物を使ったジャムやクリームが味わえる季節限定のドーナッツもある。この日はピーチクリーム(Peach Cream$4.20)とアプリコット(Apricot Jam$4.20)。休日にはすぐに売り切れてしまうので、午前中に行くと確実。
店内でのイートインも可能で、コーヒーと一緒にいただくことをおすすめする。コーヒー豆は、オレゴン州やカリフォルニア州から取り寄せた選び抜かれたものを使用している。