特集 日本語で学べるアートな習い事

音楽、芸術、ダンスなど、シアトル近郊にあるアートな習い事クラスの中から「日本語で学べる」教室をピックアップしてご紹介します。スタッフのドキドキ体験レポートも！

取材・文: 徳江美名映、大林要介 写真: 越宮照代

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• シアトルで学べるアートな習い事

みなえ（記者インターン）
書道は学校教育で経験しただけ。アメリカで日本文化を体験出来ることにワクワク

明石USA書道教室の代表、藤井良泰先生は1991年に師匠・明石春浦先生の命を受けて、妻の直子さん共々シアトルに移住。以来26年、シアトル、ポートランド、ロサンゼルス、そして日本にも教室を開き、書道を教えている。

「書道とは書の道です。先生に対してはもちろん、生徒に対して、また生徒同士も、お互いに尊敬し合いましょう、と教えています」と直子先生は言い、「日本で書道を勉強していた人も、全く知らない人も、どんな人にもモットーにしてもらっているのがこれです」と壁を指した。そこには「書道、姿勢を正しましょう、丁寧に書きましょう、正しく書きましょう、美しく書きましょう、ゆっくり書きましょう」という指導方針が貼ってある。

黙々と練習をしていた生徒さんのひとり、メキシコ出身のメネンデス・アルフレドさんが、書道を始めたきっかけを話してくれた。初めて書道に出会ったのは大学時代に日本に留学した時。日本語の勉強をしていたアルフレドさんは初めて書道を見たときに「すごい！」と感動。「漢字を書きなれていない外国人にとって、書道は漢字の勉強になる」と思ったのだそうだ。「書道は難しいけれど、美術のようです。言葉の意味をとても強く表現できる」と、書が持つアートの魅力について語るのを聞いて、外国の人にも書道の素晴らしさがこんな風に理解されるのかと嬉しくなった。シアトルに来て同教室で書道を再開したのが4年半前。アルフレドさんは現在、漢字が持つ5つの書体「楷書・草書・行書・隷書・篆書」を日々勉強している。

表現する難しさと奥深さ

いよいよ体験。今回私が練習したのは「夢」の文字と自分の名前だ。先生のお手本を見ながら書いてみる。体に力が入っていたのが文字に表れる。「大きくリラクッスして構えましょう」と、まず正しい座り方から、姿勢、筆の持ち方まで丁寧に指導してもらう。先生が筆を一緒に持って書いてくれると筆が勢い良く滑らかに動き、自分一人で書いていた時との違いが感じられた。何度も繰り返し練習するうちに、もっと上手くなりたい、もっと色んなものに挑戦したいという思いが募っていった。

線の太さ、長さ、跳ね、払い、文字のバランスを考えながら一画一画、心を込めて書く。今まで当たり前のように書いてきた文字をこんなに集中して書いたのは初めてだ。書き上げた時の達成感はこの上ない。気がついたら夢中になっていて、あっという間に時間が過ぎていた。

文字の向こう側にある楽しさ

時折、生徒さんから質問が出ると良泰先生は「それはすごく良い質問です！」と嬉しそうに言って、文字について学校では学べない興味深い話をしてくれる。「書道の技術だけではなく、漢字の成り立ちや歴史など文字にまつわることを深く知ることで、より書道を楽しんでもらえるよう、私たち自身も常に学びの心を持ち、稽古に励んでいます。教室での稽古を通して書道をより深く学んでほしいですね」。

明石先生の「アメリカで一人でも多くの人に筆を持ってもらって、何千年と続く東洋の文化である書道の魅力を体験してもらいたい」という意志を継いで、藤井良泰・直子先生は、教室だけではなく、サクラコンや桜祭など様々なイベントでブースを出して書道を広める活動をしている。その他にも、毎月日系マナー心会、また毎年地元の高校生のイマージョンキャンプなどで、書道を教えるボランティア活動も行っている。

明石USA書道教室
6611 147th Ct. NE, Redmond WA 98052
☎ 425-869-0994
fujii2@earthlink.net
meito-kai.sub.jp

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