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特集 楽しくボランティア!

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ボランティアの盛んなシアトルでは、私たち日本人が参加できるイベントやプログラムがたくさんあります。今回は、日本語が生かせる日系団体のボランティアをしている方2人にインタビューしました。ソイソーススタッフのボランティア体験もご紹介します。

日系ボランティア団体 インタビュー

ソイソーススタッフのボランティア体験談

 

服が必要な子どもたちのために
クローズ・フォー・キッズ(Clothes For Kids)

写真・文:山添史

衣服は人の生活になくてはならないだけでなく、着る人の心理状態にも大きく影響を与える。クローズ・フォー・キッズ(以下CFK)は低所得者層の家庭の子どもに衣服を提供する非営利団体だ。配付場所も兼ねるオフィスがリンウッドにあり、私はここで2014年12月から2015年8月までのおよそ10カ月、隔週金曜日、ボランティアに従事した。

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Clothes For Kids内の様子

 

古着屋で働くようなボランティア

CFKに集まる衣服は全て寄付によるもの。毎週月、水、金曜日の午前9時から正午まで、火曜日は午後4時から7時まで、寄付を受け付けている。寄付された服は、生地の状態、デザイン、サイズなどを見て、子どもたちが安心して学校に着ていけるかどうかを基準に選別される。審査基準に合格した衣服は、まるで店のように整理整頓されたスペースに並べられ、無料で配布される。ここでのボランティアの仕事は、簡単に言えば古着屋で働いているようなものだ。服を洗濯し、陳列し、在庫を管理し、接客する。可愛い子どもの衣服を扱う仕事なので、見ているだけでも楽しい。
衣服を受け取れるのは、スノホミッシュ郡内の学校またはノースショア学区に通っている子どもで、無料または減額昼食を提供されている子どもたちが対象。保護者が学校のオフィスに申請すると、無料または減額昼食証明書が発行されるので、それを配付日に持参すればよい。当日はオープン前から待っている人がいて、サービスをこころ待ちにしている人がいるのだなと改めて自分の仕事の必要性を感じた。

利用者、上司から感謝されるやりがい

このボランティア経験でいちばん嬉しかったのは、子どもの両親から感謝されたときだ。利用者が一度に選べる衣服の数は上限が決められているが、それでも一人の子どもが必要な充分な数の衣服は手に入る。ある母親からの、「Value Village でこんなに買ったら$15はするわ。ここでは無料よ、信じられない!」という言葉や、ある父親の「子どもたちに『好きなだけ選んでいいよ!』と言えるのは本当にありがたい」という言葉を聞いた時は、本当に喜ばしく、やっていてよかったと思った。中にはまだ事情がよく分からない子もいるだろうが、両親が嬉々としてを選んでいる姿は、子どもたちにもいい影響を与えるのではないだろうか。
衣服を通して社会貢献をしているので、直接人とコミュニケーションすることももちろんだが、裏方での軽作業でも活躍できる場は多い。英語がつたない私でも、できることがあったのもそのおかげだ。衣服の陳列は簡単ながら、サイズ別、種類別、性別ごとにわけてディスプレイするため、意外と時間がかかり、人手も必要。「あなたが来てくれて本当に助かっているのよ」と毎度感謝され、アメリカに来てコミュニケーションがうまくいかないことが多かった私だが、「人の役に立てているのだ」と思えて、素直に嬉しかった。

店内で作業するボランティア
店内で作業するボランティア

CFKのボランティアは、在宅勤務やイベント補助など、さまざまな形で参加できる。現在、配布場所でのボランティアは定員に達しているが、希望者は、サイト上のウェイティングリストに載せると、空きができた時に連絡してもらえる。

資金集めのために、定期的にラメージセールやオークションを開催している。寄付で集められた服を販売し、ワインやアンティークの人形をオークションにかけて資金を集めるのだが、チャリティーイベントに楽しく参加できるようになっているのに感心した。オークションは5月7日にエドモンズのホーリーロザリー(Holy Rosary)、サマーラメージセールは6月4日、5日、リンウッドのオフィスで行われるので、ぜひチェックして欲しい。

Clothes For Kids
住所:16725 52nd Ave. W., Suite B, Lynnwood
詳細:info@clothesforkids.org
www.clothesforkids.org
☎︎425-741-6500
衣服寄付受付時間:月・水・金 9am~12pm、火 4pm~7pm
配付日時:月・水・金 9am~12 pm、火・木5:30pm~7:30 pm

 

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