今回は、情熱をエネルギーに努力を重ね、アート、音楽、YouTube、社会環境改善と、異なる分野で活躍している若い人びとに会ってきました。
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「音に魂が込められているから惹きつけられる」
ミナミ・ヒューズさん
取材・文:山田百合菜 写真:越宮照代
シアトルの音楽シーンで活動するソウルミュージシャン ミナミ・ヒューズさんに、音楽の魅力と思いを語ってもらった。
ミュージシャンを目指していたのはいつ頃からですか?
小さい頃から、ずっと歌手になりたいと思っていました。とにかく歌うのが大好きな子どもで、幼稚園とかめっちゃはりきって歌ってて(笑)。でも、高校生の頃から自分の夢を友達に言うのが恥ずかしくなって、半分あきらめていた時期もあります。そんなときにアメリカの大学に行くことが決まって「せっかく自由の国、アメリカに行くんだから、好きなことをがっつりやってやろう」って、音楽の道に進むことを決めました。
アメリカに来てからは、どんな音楽活動を?
大学では音楽を専攻し勉強していて、授業でファンクバンドを作ってライブをしたりしました。今思えば、それがアメリカで初めて組んだバンドグループですね。あの時はすごく楽しかったです。いちど日本へ帰りましたが、後に結婚したディランに「戻っておいで」と言ってもらって、アメリカに戻って来ました。彼はベーシストで、昔も今も同じバンドグループで音楽活動を続けています。
現在、いくつかのバンドで活動されているのですね。
全部で4つのバンドに入っています。普段はライブが中心ですが、ここ最近はレコーディングが多いですね。カバー曲だけでなく、私も含めたバンドメンバーが作詞作曲したオリジナル曲の演奏もします。その他には、毎週月曜日に行なわれるフリーモントの音楽イベント「Mo’ jam Mondays」に行って、即興でパフォーマンスもしています。音楽好きな人なら誰でも参加できるイベントなので、ソイソースの読者の方にも、ぜひ来て頂きたいです。ソロとしては、You Tubeの動画といった、ウェブでの発信が増えてきました。これからは自分のオリジナルソング・カバー曲をYou Tubeで出していきたいです。でも、やっぱり一番は、ライブで聞いてもらうことですね。
ライブ・パフォーマンスの魅力はなんでしょう?
一言でいえば「ケミストリー」。ライブで演奏をしていると、歌、ギター、ベース、ドラムなど演奏者全員の音が、化学反応(ケミストリー)を起こしたように、ひとつになる瞬間があるんです。その場にいる全員の気持ちと音が加速していって、音楽の波が会場にぶわーっと広がる。お客さんにもこの感覚が伝わるんですよ。いい音楽ができたときって、こういう瞬間なんだと思います。それを作り出すために日々努力、練習しているようなものですね。シンガーをしていて一番楽しい瞬間です。
ジャズがお好きだということですが。
もともと好きだったのはポップやロック。そこから、洋楽、ブルース、ソウル、R&B、ブラックミュージックって広がっていきました。Mo’jamに行きはじめてから、ジャズもやりたいと思うようになりましたね。どれも音に魂が込められているから、惹きつけられるんです。
現在、初のミュージックビデオを制作中と聞きました。
夫のディランが作詞作曲した『Only One』という曲で、監督の小林敬佑さんによると一本の映画のような仕上がりになるそうです。サビが「You’ re the only one. Only one for me.」というシンプルなフレーズの繰り返しなのですが、そこには色んな意味が込められてます。私が一番気に入っているのは、最後の「The way you love me…」の部分。落ち込んだときに愛してくれる人がいると「世界はこんなにも素晴らしいな」って思えて、そうなると自分の事も好きになっていく。そんな思いが込められた歌詞が好きで、特に感情を込めて歌いたいです。曲を聞いた人が、明るい気持ちになってくださったら嬉しいですね。
―最後に、みなみさんの夢は何ですか?
いつか日本との懸け橋になりたい。シアトルには素敵なミュージシャンがたくさんいるのに、日本ではほとんど知られていないんです。彼らをもっと日本の人たちに知ってもらいたいですね。私自身の事で言うと、日本でのライブツアーがしたいです。日本でもライブミュージックがもっと身近になったらいいな。音楽の道に進みたいけど悩んでいる人には、才能なんて関係ない、努力次第だって伝えたいです。
イベント情報
4月10日 ミュージックビデオリリース
『Only One』 Minami & The Cyclophonics
4月25日 音楽イベント
“Mo’jam Mondays”
5月27日~5月28日 Folklife Festival: The Ancient Robotz, Charles Street Messengers
ミナミ・ヒューズ
シアトル在住のミュージシャン。バンドグループMinami & The Cyclophonics, The Ancient Robotz, Charles Street Messengersに所属し、ボーカルを担当している。音楽ジャンルはソウル・ブルース。現在、シアトルを中心に音楽活動を行なっている。
ウェブサイトminamimusic.com
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徐みづきさん