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特集 会いたかった人たち

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今回は、情熱をエネルギーに努力を重ね、アート、音楽、YouTube、社会環境改善と、異なる分野で活躍している若い人びとに会ってきました。

 

 

カリスマブラザーズができるまで

取材・文:相原礁帆、越宮照代 写真:越宮照代

2014年11月にシアトル在住のYou Tuberとしてグループを結成し、現在では総再生回数約20,000,000回を超える人気者。昨年暮れにはYouTuber向けプロダクションUUUM専属トップクリエーターとして登録されたカリスマブラザーズ(以下、カリブラ)のジョージ、ジロー、MINOにインタビュー!

左からMINO、ジョージ、ジロー
▲ 左からMINOジョージジロー

起業を考えたジョージとジロー

3人の出会いと、それぞれの役割について教えてください
ジョージ:6年くらい前、僕とジローはパーティーで仲良くなって、MINOとは別のパーティーで友達になった。それで、ジローとMINOも同じパーティーに来るようになって、みたいな。役割は、僕がリーダー的な存在で、他のクリエーターさんにコラボしませんか、とかの話をするのも大体僕がやる感じ。司会もするし。
ジロー:僕はハプニング要素です(笑)
MINO:カリブラとしては音楽担当。動画のBGMとか、オープニングの音楽なんか作曲してます。時にプロデューサー。

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YouTuberになったいきさつは?
カリブラ一同:これは長くなるね。
ジョージ:僕とジローで、「2人でアメリカで会社を始めよう」ということになって、それはもう真剣に取り組んで、いろいろやろうとしたんだけど、起業するのはすごい難しいことが発覚した。結局煮詰まって。MINOの意見を聞いとこうと思って夜の9時頃に車で1時間くらいかけて会いに行った。それで、起業しようと思っているんだけどって言うと、こいつが「今はYouTubeでしょ!」って。
MINO:そこから3時間くらいかけて説き伏せて、YouTubeをやれみたいな。

どうしてYouTubeって発想が出てきたんですか?
MINO:もともと自分は音楽関係(編注:バンドThe Contestants所属)だから、普通の会社のことなんかわからない。でもとりあえず成り上がりたいという思いは伝わってくるし、そのころYouTuberが注目されてきていたこともあって、ふたりのキャラクターにすごい合っているかなって思ったんですよね。
ジョージ:「今YouTubeやったら、来年にはこういうビジョンがあって」って説得されて、完全に納得したんだ。帰る途中、速攻ジローに電話して「おい、明日からYouTubeやるぞ」。そしたら「あ、わかった」って(笑)。次の日2人でベストバイに一眼レフ(カメラ)を買いに行ったのがスタートっすね。それがおととしの11月。

「お前らは売れるからやり続けろ」

ジロージョージ:そっからほぼ毎日のように動画を作った。
MINO:最初は僕が見たYouTubeからフォーマットを借りて、アメリカの色をいれたら……、ぐらいの気持ちでやっていた。
ジョージ:当時、日本人のYouTuberはいっぱいいたけど、海外にいる日本人では、正統派でまじめに英語を教えているバイリンガールさんしかいなかった。それで、ふざけたやつがいてもいいだろうって。だからポジションは空いていたんですよね。それに当時、コンビというのはいなかった。MINOには最初から裏方として参加してもらってはいたんだけど。最初1カ月は練習期間。三脚の使い方も知らなければ、一眼レフの動画の撮り方も知らないところから始めたから。2人でカメラを見て、「何のシーンから取ればいいんだ?」みたいな。イントロもなかったし。独学だったから5分の動画1本の編集に5時間もかかった。
ジロー:プロデューサー命令で、撮影と動画を編集する練習を1カ月毎日した。それは非公開にしてあるんだけど。
MINO:YouTubeは毎日だから体力がいる。最初は公開しないで1カ月毎日作ったら強いところからスタートできると思ってね。
ジョージ:最初の頃は2人が座って何かについて話すというスタイルで、バラエティ色がなくて、日本の需要には合っていなかった。
ジロー:ずっと喧嘩してたね。やってて面白くなかった。結局そのやり方は自分たちにも合っていなかった。
ジョージ:やめたいと言うと、MINOが「お前らはマジで売れるからやり続けろ」って。そこに支えられたかな。
MINO:ふたり別々に電話してきて「いま、喧嘩してる」って(笑)。東海オンエアと会ってからだね、エンターテイメント寄りになっていったのは。
ジョージ:愛知県の東海オンエアっていう80万人くらいの登録者がいるYouTuberと会って、一緒に動画を撮った時に、「あ、こっちなんだ。この方向性なんだな」って。

危機を乗り越えてトップクリエーターになる

UUUM所属のトップクリエーターになったのは、どういう経緯だったのですか?
ジョージ:去年の6月に、東海オンエアとコラボで、キャンピングカーを借りてアメリカ西海岸を横断するという大きな企画をやったんです。それを始める前のカリブラのYouTubeチャンネルの登録者数は1万3千人くらいだったのが、終わった時点では4万人まで伸びていた。僕たちがYouTubeを始めたのがちょうどUUUMネットワークが始まった時で、クリエーター(*YouTuber)1000人を募集していたんですよ。そこに応募して合格し、チャンネルを続けていく中で徐々に再生数や登録者数も増えてきました。そんな中で担当の人から、「今後もYouTubeを本気でやるのであれば、専属契約をしようか」と話をもらって、契約した。ところが専属になっても公に発表されるのは数十人しかいない。1000人の中から功績を残した人はトップクリエイターとして引き抜かれることになっていたのだけど、そういうことは全く知らされていない。ただ「もしかしたら、上がれるかも?」みたいな。
ジロー:予想の範囲でしかなかったけど、とにかくトップに入りたいと思ったわけです。

頑張ったら上がれるんですか?
MINO:具体的なことはわからないですが、動画を上げる頻度や、月の再生回数や登録者の数とかが大事になるのではないかと。
ジョージ:その頃がカリブラの危機だったんですよ。ジローが日本に帰って扁桃腺の手術をしたりで、アメリカに戻って来れなかった。ジローのゆるいキャラを見たい人もいるけど、それを埋めるのが結構難しくて、動画をなかなか投稿できない期間が続き、再生回数も登録者数も落ちてきた。そんな時に事務所から「11月に(トップクリエーターとしてホームページに)発表しようと思っているけど、今の動画の投稿頻度や再生回数だと難しい」って言われて。「それはやばい! これからは1日2本出そう」。ジローにも日本で撮らせて。
MINO:僕とジョージが会う日は1日8本とか撮った。
ジョージ:そうやって、10月半ばから31日まで毎日アメリカで1本、日本で1本。本数があると再生回数は増えるけど、やっぱり見る人は全員を見たいから伸びに限界があった。だけど事務所から、「情熱とやる気の姿勢を評価したい」と言ってもらって。UUUMで最初に選ばれたトップクリエーターふた組のうちの一組になったんですよ。11月1日に発表されたときは嬉しかった。
ジロー:でもそこから年末まで怒涛のように忙しかったから、実感が湧いてきたのは年が明けてから。
ジョージ:UUUMに入ったことで、勉強会や動画撮影なんかのいろいろなイベントに出させてもらって。超忙しかったけど、そこでヒカキンさんとかはじめしゃちょーとか、日本でも3本指に入るトップクリエーターに出会って、すごい刺激を受けた。ネットワーク作りができて、コラボの機会が増えましたね。

アドリブならではの面白さを大事にしたい

動画を作るうえで特に意識していることは?
MINO:たぶんYouTuberのみなさん意識していると思うんですけど、アドリブだと思う。アドリブのその瞬間の面白さを引き出せたら一番いいと思う。はじめしゃちょーも、コラボした時、いい顔が撮りたいからカメラを回すまで企画の内容を教えてくれない。

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動画のコメントは読みますか?
カリブラ一同:全部読みますよ! 返事は全部には返せないけど。
ジョージ:18歳から24歳の僕らと同じ世代の人のコメントが一番多いんですよ。働いてる人もいれば大学生高校生もいる。一番嬉しかったのは、働いてる人が「疲れて帰ってきて見る5分間が毎日楽しみでカリブラ見てます」って言われた時。その5分間が癒しになっているんだと思って、ほんと嬉しかった。
MINO:入院してる人で、動画を支えに頑張りました、みたいな人もいたよね。

今後の目標は?
ジョージ:今後はクリエーターとしていろんなことができたらいいなあと思っています。あと知名度を生かせたらいいなあと。それとグループとしてだけでなくメンバー1人1人がそれぞれ成功することかな。のし上がっていきたいという精神が強いから。
ジローMINO:それは人一倍ある。
ジョージ:やっぱりモテたいんですよ!(笑)

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<取材後記>
何でもYouTubeのネタにしてしまう3人は、取材当日、記者にドッキリを仕掛けてきた。そうとは知らない取材陣はすっかりはめられてドギマギ。その時の様子は、カリスマブラザーズのYouTubeチャンネルで見られるので、興味のある方はぜひご覧ください(YouTube「取材されたので記者に喧嘩ドッキリを仕掛けてみた。」)。動画ではふざけて見える3人だが、YouTubeに真剣に取り組んでいる姿勢と情熱に感動させられた。「震災復興支援やチャリティーイベントに積極的な参加をしたい」という一面も持つ。

カリスマブラザーズ
カリスマ 一号ジロー、二号ジョージ、MINOからなるアメリカシアトル在住3人組YouTuber。キャンピングカーでのアメリカ西海岸走破企画や・オリジナルの 音楽・英会話・アメリカ人相手のドッキリなどオールジャンルでアメリカ在住日本人ならではの面白いモノ・コトを発信している。YouTuber向けプロダクションUUUM所属。