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特集 会いたかった人たち

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今回は、情熱をエネルギーに努力を重ね、アート、音楽、YouTube、社会環境改善と、異なる分野で活躍している若い人びとに会ってきました。

 

 

「あっ!」とした驚きを出せたら嬉しい
セラミックアーティスト 眞田絵梨香さん

取材・文・写真:山添史

先月、3月2日~6日に、タコマガラス博物館のホットショップで、ガラスとセラミックの異素材をコラボさせる作品製作に挑戦したセラミックアーティスト、眞田絵梨香さんにその独特の世界観について聞いた。

眞田絵梨香

空想好きだった子供時代、そしてアートの道へ

子供の頃は、どういうお子さんだったのでしょうか? また芸術の道へ進まれたきっかけは?
アニメや映画を見ては空想にふけって、それを絵に描いて遊ぶ子供でした。母の影響で幼い頃から絵を描いたり粘土遊びをしていたのですが、成長するにつれだんだんと本気になっていき、アートの道に進もうと思うようになったのです。元々はアメリカで映画の特殊メイクや小道具作りを勉強するつもりだったのですが、大学院では望んだ学科がなかったため、理想に一番近い彫刻学科を選択して、そこで初めてセラミックを学んだのがこの道に進んだきっかけです。

子ども時代のいじめと奇妙な作品たち

子供の頃のいじめと、現在抱いている不安感が作品に投影されているそうですが、それはどういうことでしょうか?
私の作品の動物には必ず少し奇妙な部分があります。例えば尻尾が2本だったり、他のクリーチャーが体に癒着していたり、木が生えていたりなど……。このような少しおかしくて変な部分が私の不安感や恐怖、ストレスを表していて、それを作品で再現することによって自分から負になるものを出して平穏を得ているという感じです。

中には、愛くるしい感じの作品もありますが。
私の作品は不安や恐怖がインスピレーションの元になっていますが、作品全体でそれをおどろおどろしく見せたりするのではなく、あえて愛らしく見せる事によって自分の持つ負の感情を受け入れやすくするという態勢をとっています。

作品の動物たちの目が白いのはなぜですか?

▲ Wait For Me Ceramic, acrylics 9" x 21" x 7" 2015 by Erika Sanada
▲ Wait For Me Ceramic acrylics 9 x 21 x 7 2015 by Erika Sanada

瞳をいれるとその視線が固定されてしまいます。私は、見た人にその視線の先を想像して欲しいので、あえて瞳は入れてません。

見た人からの反応にはどいういうものがありますか? また、それにどのように答えられますか?
人によって様々ですが、特に多いのは「綺麗な作品だと思って近づいてよく見たら、少し奇妙な部分があって驚いた」という感想です。そこを狙って制作していると伝えています。もともとホラー系の映画が好きで、人が映画でゴーストやモンスターを見た時の「あっ!」とした驚きが私の作品でも出せたら嬉しいです。

今後どのような作品を作っていきたいですか?
今後はガラスや木、ブロンズ等他の素材を組み合わせて新しい形態の作品を制作していく予定です。今回タコマガラス博物館では、セラミックとガラスを融合した新しい作品製作に挑戦しました。固い素材同士であるセラミックとガラスを合わせるのは至難の技ですね。滞在中に完成できなかったので、作品は一旦サンフランシスコのスタジオに持ち帰り、変形しやすいセラミックを使って完成への道を模索します。完成後、作品はウェブサイトに掲載する予定です。
www.erikasanada.com

▲ ホットショップで展示されていた作品
▲ ホットショップで展示されていた作品

Abmeyer + Wood
1210 2nd Ave., Seattle WA 98101
☎206-628-9501
info@abmeyerwood.com
営業時間:月~土 11am~6pm

眞田絵梨香
東京都出身。日本大学芸術学部卒。日本でイラストレーター、特殊メイクアーティストとして働いたのち、2009年に渡米。サンフランシスコの大学院で彫刻学を専攻、現在はセラミックアーティストとしてアメリカを拠点に活躍中。作品は、シアトルのAbmeyer + Woodギャラリーで展示中。

 

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