シアトル界隈は今やラーメン店の激戦区。今回はシアトル、ベルビュー、レントンの8件のラーメン店で、各店自慢のラーメンを試食してきました。開業を目指す人のための日本で学ぶラーメン塾ツアーもご紹介。
取材・文:越宮照代、今井昌子、原ゆかり 写真撮影:越宮照代
麺屋 空海
2013年、ベルビューに空海のアメリカチェーン第1号店として出店。「その年にいきなり『シアトルマガジン』でベストレストランに選ばれて驚きました」と言うのは、オーナーのブランドン・ティンさん。
大の日本びいきで、北米でラーメン店を開業したいと日本のラーメン店を食べ歩きし、その時に一番気に入ったのが日本全国でチェーン展開をしている空海だったそうだ。その理由はとんこつスープにある。空海では、まず豚骨を3時間かけてローストし、その後で10時間かけてスープの中で煮込む。「時間はかかりますが、強い匂いがなくなるうえに、一層のまろやかさが出るんです」。食材はすべて日本から仕入れており、そのため、FDAから許可が下りるのに1年半もかかったそうだ。「だから、うちのラーメンは日本で食べるのと同じ味なんですよ」とブランドンさんは誇らしげに言う。
この日まず試食したのは、一番人気のとんこつラーメン($11)をさらにリッチにした、ガーリックとんこつラーメン($11)。ガーリックという名にちょっと恐れをなしたが、思いのほかガーリック臭さはなくコクがある。太い縮れ麺はコシがあり、しっかりスープになじんでかむほどに麺とスープの味が楽しめる。ローストした柔らかいチャーシューには脂肪の少ないレギュラーとブタバラチャーシュー($0.50追加)の2種類。ブタバラのみをサイドオーダー($2)で注文することも可能だ。チャーシューのダシで煮込んだゆで卵は、とろりとした半熟の黄身が最高。ゆで加減に最大の注意を払っているというだけある。
次にトライしたのは、ゆず塩ラーメン($11)。フレンチシーソルト、昆布をベースにゆずでアクセントを付けた人気商品だ。あっさりしたクリアスープをじっくり味わえるよう、細麺が使われている。
同店には麺の種類が3つあり、上記2種類の他、つけ麺用には幅広の麺と、スープによって使い分けているというのも麺をよりおいしく食べられる秘訣とみた。
8月初旬、ノースゲートに第2店がオープンし、シアトル方面の人にも便利になった。
麺屋 空海 KUKAI
14845 Main St., Bellevue
☎ 425-243-7527
www.kukai-ramen.com
営業時間:月~木 11am~2:30pm&5pm~9:30pm、金・土 11am~10pm、日 11am~9:30pm
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