ノースウエストのローカル・バーガー決定版 ！②

シンプルな構成で真っ向勝負
ミーン・サンドイッチ

フリーモントとバラードの間に位置するのは、ミーン・サンドイッチだ。オハイオ州出身で生粋のバーガー好きのオーナー、ダン・クルークストンさんが、数々の絶品バーガーを食べ尽くしてたどり着いたのが「おいしいバーガーはとにかくシンプル」という真実。そのダンさんの哲学にかなう「D.A.M.バーガー」は、2枚のパティ、2枚のチーズ、オニオン、マヨ、マスタード、ピクルスと、極めてスタンダードな組み合わせだ。

 

D.A.M.（Dry Aged Meat）とは、乾燥熟成させた肉のこと。キャピトルヒルのステーキハウス、バトーから仕入れる肉をスマッシュし、香りを最大限に凝縮させているそう。コショウが利いたザク切りスタイルのポテトとも相性抜群だ。開店中はほぼレジにいるダンさんは、とてもフレンドリー。気軽に話しかけてみよう。

名物フライは一度食べたらヤミツキに
ザ・グルメ・バーガー・ショップ

シアトル中心地から南に車で45分ほどのギグハーバーにあるのが、ザ・グルメ・バーガー・ショップ。古民家をリノベーションした店内には、イートイン・エリアも確保されている。フレンドリーなスタッフたちの、元気いっぱいの声がまた気持ち良い。

「ゴルゴンゾーラ・アボカド」や「ベーコン・チェダー」などのバーガー類はもちろん、地元の常連客に愛されているのが、サイドのフライ類だ。細切りにして少ない油でカリカリに揚げるポテトは、シューストリング・スタイルと呼ばれるそう。オニオン・リングもサクサク！ そのほか、ビート・チップスも人気だとか。ギグハーバーへの小旅行がてら、一度は寄ってみたい穴場である。

牛一頭丸々召し上がれ
グレート・ステート・バーガー

ワシントン州内に6店舗あるローカル・チェーン、グレート・ステート・バーガーも要チェック。シアトルのダウンタウンに立地するサード・アベニュー店（平日のみ）とピア54店は朝8時から開いており、オレンジジュースやハッシュ・ブラウンと共に食す「朝バーガー」が評判だ。そのほか、ベルビュー・スクエア、ローレルハースト、ベルタウン、ルーメン・フィールドに支店を構える。

 

いちばんの魅力と言えるのが、100%自然由来の牧草で育ったローカル産の牛肉を使うパティ。牛一頭を丸々ミンチにするため、ほかのDNAが混ざることなく、同じ牛を味わい尽くせる。 バンズにレタス、玉ネギ、ピクルスほか、ケチャップやマスタードのソースまでがオーガニックと、食材へのこだわりは相当なもの。サイドのポテトは、クリンクルカット・スタイルで提供している。

ピザ店の本気バーガーを堪能
サニー・ヒル

ゴールデン・ガーデンズ・パークのすぐそばで営業するピザ店、サニー・ヒル。鉄板メニューのデトロイト・スタイルのピザと、常に売り上げトップを争っているのが「サニー・バーガー」だ。

パティの牛ひき肉は、持続可能な取り組みを行う地元畜産農家から仕入れたものを主に使用し、スマッシュ・スタイルで調理。ザク切りのレタスとウマミ・ケチャップ、そしてオニオン・フライで深みのある味わいを引き出すことに成功している。これだけでも十分おいしいのだが、さらにベーコンとチーズを追加すれば最強のバーガーが完成！

サイドの「ワッフル・フライズ」も外せない。ひと口で頬いっぱいになる、ワッフル・スタイルならではのサイズ感を楽しもう。ソースはホット・ハニーまたはブラック・ガーリック・ランチがおすすめだ。

ビールとワインに合うオリジナル・バーガー
ティプシー・カウ

ティプシー・カウは、ウディンビルとレドモンドに店舗を持つ「バーガー・バー」だ。気になるお酒のセレクションは、ワインとビールが中心。地元のスモール・ビジネスを助けるのがモットーで、ローカル産のアルコール類を多く取り扱う。

定番は「ティプシー・バーガー」だが、ほかではあまり見られないメニューとして、「ジ・アーソニスト・バーガー」を紹介したい。地元の畜産農家から仕入れた牛ひき肉を使うパティにチーズ、レタス、トマト……と、ここまではスタンダード。あぶりハラペーニョとハリッサ・ペッパーの激辛食材が入るのがオリジナルだ。さらにハバネロも追加できるというのだから、辛いもの好きにはたまらない！ ぜひ、辛さの限界突破に挑戦してみて。

他店とのコラボ商品に注目！
リル・ウッディーズ

リル・ウッディーズは、バラード、キャピトルヒル、ホワイトセンター、Tモバイル・パークに店舗展開し、ワシントン州きっての人気ローカル・チェーンに成長。ローカル・ビジネスとのコラボ企画が売りで、過去にはパイクプレースのビーチャーズ・ハンドメイド・チーズや、有名ドーナツ店のトップ・ポットと組み、限定バーガーを販売したこともある。

良質な地元食材を積極的に活用しており、バーガー・チェーンへの期待値を軽く超えてくるクオリティーには脱帽。オレゴン州ペインテッドヒルズから仕入れる牛肉、タコマで製造するバンズに始まり、フライ用のジャガイモはワシントン州産と、何もかもが選び抜かれている。シアトルのフル・ティルト製アイスクリームが使われた看板メニューのシェイクも、ぜひオーダーしたい。

ドライブ・イン式で楽ちんオーダー
バーガーマスター

バーガーマスターは、オーロラ、ベルビュー、ミルクリーク、マウントバーノン、ユニバーシティー・ディストリクトと、ワシントン州内に5店舗を展開するドライブ・イン式のバーガー・チェーン。駐車場で車内から注文でき、その場で食べるも良し、家に持ち帰るも良し。主力の「バーガーマスター」ほか、よりボリューミーな「ダブル・ベーコン・マスター」も申し分のないうまさだ。

大手チェーン店と比べると手作り感さえあり、素材のひとつひとつの味が際立つ。ポテトは王道のスタイルを取りつつ塩分控えめで、やや薄味なのが通好み。肉以外にも、フィッシュ・アンド・チップスやフィッシュ・サンドイッチのフィッシュ・メニューがそろう。サイドには、コールスローサラダやシェイクをどうぞ。

シアトルを代表するローカル・バーガー
ディックス

知名度の高いローカル・バーガーと言えば、やはりディックス！ 今年オープン予定のフェデラルウェイ店を合わせると計9店舗にもなる。2018年に『シアトル・タイムズ』主催のバーガー・バトル・ロワイヤルで優勝し、2019年には『シアトル・マガジン』読者投票でベスト・バーガー賞も獲得している実力店だ。

バーガーはとてもシンプルで、味もさることながら、コスパ面でもトップクラス。ランチやディナーというより、おやつ感覚で立ち寄る地元客が多い。ポテトをシェイクにディップする食べ方が推奨されていて、これが想像以上に美味！ もし未体験であれば、ぜひお試しを。社員・アルバイトへの奨学金付与プログラムなど、雇用待遇が手厚いことでも名を馳せる良店だ。