今年の2月、ボセルに日本料理レストラン「Nakagawa」がオープンした。オーナーはマカティオの洋食屋「カフェ・ソレイユ」を経営する中川夫妻。アットホームかつ本格派な同店を、ソイソース食レポ班がご紹介します!
取材・文:小村侑子
写真:沖田美香
「北エリアで本格的な日本食を出す店をやりたかった」と語るのは、オーナーシェフの中川伸一(なかがわしんいち)さん。調理学校の名門、大阪の辻調理師専門学校を卒業した後、兵庫県のリゾートホテルでフランス料理を、北新地の名店「ステーキみその」で肉の扱い方を学んだ。「うちのシェフはいろいろな店で修行してきたので、洋食、フレンチ、寿司、デザートまでオールマイティにこなせるんです」と明るい笑顔で教えてくれるのは、フロアマネージャーの中川真寿美(なかがわますみ)さんだ。仲の良いふたりの様子が、店内にあたたかな空気を作り出している。
まずは元祖「ガーリック枝豆(Garlic Edamame $5.95)」。シアトル市内のレストランでよく見かけるこの人気メニュー、実はカフェ・ソレイユが発祥だ。テーブルに運ばれた瞬間にニンニクの香ばしい香りがあたりに広がって、食欲は最高潮に。枝豆のほんのりした甘さにピリッときいたコショウの味がアクセントで、食べ始めたら止まらない。
本日のシェフのスペシャリテ「ハマチカマのあんかけ($13.95/値段とメニューは日によって異なる)」は脂が乗った九州産のハマチを揚げ、酸味のあるあんをかけてさっぱりと仕上げている。和食の味わいながらも、上にはイタリアンパセリやミニトマト、マッシュルーム、エノキ、シイタケが乗り、彩りの豊かさはまるで洋食のよう。「オールマイティ」な中川シェフならではの一品だ。スペシャリテはその日の仕入れによって内容が変わるので、シェフにお尋ねを。
続いて出てきたのは、なんともゴージャスな寿司プレート。刺身、寿司、卵焼き、寿司ロールが美しく盛り付けられている。愛媛産の身の締まったスズキや、北海道産のやわらかなホタテ、トルコ産の濃厚な本マグロ、チリ産のリッチなウニなど、日本をはじめとした世界各国から最も旬な素材を仕入れている。「仕入れ業者さんとの密なやりとりによって、本当に良い食材だけを選んでいます」と、中川シェフは徹底したこだわりを見せる。記念日やお祝いなどの特別な日にぴったりのお任せプレートは、予算に応じて注文できる。
「お客様は家族だと思っています。『いらっしゃいませ』ではなく『おかえり』と言えるような雰囲気のお店にしていきたいですね」と笑う真寿美さんのもとには、今年で8年目を迎えるカフェ・ソレイユからの常連のお客様も多く訪れるのだそう。人を大切にし、昔ながらの伝統的な方法で優れた食材を調理する。そんなシンプルなことをずっと続けてきたからこそ、今の繁盛があるのだろう。ぜひ「ただいま」を言いに同店に足を運んでみてほしい。
Nakagawa
1427 228th St SE #D6, Bothell, WA 98021
火〜金ランチ11:30am 〜2pm
ディナー5pm 〜9pm、土日ディナー5pm 〜9pm
月曜定休 ☎︎425-483-2221
www.nakagawa-japanese-restaurant.com