「日本の本物のラーメンを世界に届ける」の志のもと、ラーメン店の激戦地ベルビューに、新しいラーメン店がオープンした。
取材・文・写真:山本夕紀/越宮照代
日本の本物のラーメンを世界に届ける
11月3日にオープンしたばかりの「ラーメン吉(よし)」は、名古屋のラーメン店「ぎんや」「晴レル屋」「フジヤマ55」の3社がコラボレーションし、オレゴンに本社を持つ吉田ソースが協力して実現したものだ。同店のプロデューサー、ガンホー・ユンさんは、「コラボした3社はいずれも名古屋の有名店で、互いに競合する店ですが、それ以上に『日本の本物のラーメンを世界に届ける』という志を共にする仲間でもあるんです」と語る。
このたびのアメリカ進出に先駆けて3 社は共同でフランチャイズラーメン店「ぎん晴れ55(Ginbare GoGo)」を設立。すでに日本で8店舗を展開するほどの人気店となっている。アメリカでの出店に当たっては、ラーメンの味付けを、アメリカ在住の人々の味覚に合うように調整しながらも、日本らしい味を追求することについて協議を重ねたそうだ。
「ラーメン吉」の店長、樋口裕也さんは、「フジヤマ55」で3 年半修行を積んだ経験の持ち主。準備のために数多くの海外のラーメン店を食べ歩いて研究した結果、その国の人にとっての食べやすさを重視することに。同店では、「トンコツ+野菜を組み合わせることで、旨味を限界まで引き出したラーメンに仕上げました」と語った。
トンコツとチキンで出したスープ
取材の日は、店長一番のおすすめ、トンコツラーメン($9)とスパイシー味噌ラーメン($11)を注文した。
トンコツラーメンにはメンマ、海苔、ネギ、チャーシューがトッピングされているが、追加トッピングも可能だ。ゆで玉子($1.50)、チャーシュー($3)、海苔($1.50)、メンマ($1.50) などの定番がそれぞれ用意されているほかに、メンマ、チャーシュー、ゆで玉子、海苔の4 種類のセット($ 4.50)もある。スープにはトンコツとチキンが使われており、双方の旨味が味わえる飲みごたえのあるスープ。麺は太めで濃厚なスープとよく合い、歯ごたえのあるもちもちした食感が楽しめる。厚めにカットされたボリュームたっぷりのチャーシューは、噛むほどに肉本来の旨味がにじみ出て食べごたえ充分。
スパイシー味噌ラーメンはトンコツラーメンと同じトッピングに、ひき肉が加わっている。スパイシーと名前がついているだけあってかなり辛めの味付けで、麺を口に運んだ瞬間にふわっとスパイスの香りが広がり、鼻の頭に汗をかきそうだ。しかし、ただ辛いだけではなく味噌の旨味もしっかりと味わえ、後を引くおいしさだ。
いずれのラーメンもスープの味がとてもしっかりしていてコクがある。人気はトンコツラーメンとのことだが、その他、あっさり系のスープを使用した醤油ラーメン、味噌ラーメン、塩ラーメン、ゆず塩ラーメンなど、種類は豊富。次回はぜひ醤油ラーメンを試したいと思っている。サイドメニューには、どんぶり、サラダ、一品料理も。同店では今後、メニューの追加を考えており、名古屋発祥のラーメン屋ということから、手羽先などの名古屋名物の一品料理や、吉田ソースを使用したメニューも開発していくとのことだ。
樋口店長は今後の営業に向けて「毎日同じ味を出し続けるのは、もちろんですが、日々ブラッシュアップを心掛けています。ラーメンは奥深いです。自分も、まだまだ勉強して、皆さんにおいしいラーメンを食べて頂きたいと思っています」と抱負を述べた。
同店のロゴマークは、オーナーの一人である吉田ソース会長、吉田潤喜氏の似顔絵。アメリカンドリームを掴みとった吉田会長をこれからアメリカ進出に挑む同店のシンボルに、との思いが込められている
Ramen Yoshi
営業時間: 月〜金 11:30am〜2:30pm
5:30pm〜10pm
土 11:30am〜9pm
定休日: 日
☎︎425- 505-2168
14339 NE 20th St. Suite E,
Bellevue, WA