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五嶋みどりコンサート

行ってきました! ベートーベン生誕250周年記念
五嶋みどりコンサート

2020年、ベートーベンの生誕250周年を祝して、世界各地で記念イベントが開催されています。シアトルでは1月23日夜、ワシントン大学のミニーホールにて、世界を代表するバイオリニストの五嶋みどりさんが、ピアニストのジャン=イヴ・ティボーデさんと共演しました。

Timothy Greenfield Sanders

五嶋みどり ■ 1971年、日本生まれ。母親の五嶋 節と、弟の五嶋 龍も同じくバイオリニスト。弱冠11歳にしてニューヨーク・フィルと共演しデビューして以来、35年間トップ・バオリニストとして活躍。2013年には、ソリストとして参加した「パウル・ヒンデミット作品集」が第56回グラミー賞最優秀クラシック・コンペンディアム賞を受賞した。音楽による社会貢献を目指すNPO法人「Midori&Friends」でも活動。

コンサート会場のミニーホールは大勢の観客で埋め尽くされた。日本人は2割ほどで、地元客が大半。ステージに現れた五嶋みどりさんの優しい笑顔にホッとしたのも束の間、演奏が始まると会場の空気がさっと変わり、その迫力に息をのんだ。演目は、ベートーベンのバイオリン・ソナタ1番、4番、7番、8番の全4曲。アップテンポな演奏部分は、ピアノとバイオリンの音が追いかけっこをし、どちらが先を行くか競うような疾走感に鳥肌が立った。

生演奏されるバイオリンは、優しい音色で遠くまでのびのびと響いたり、小さい音ではないのに繊細に聞こえたり、その場にいないと触れられない音の奥行きを感じた。クラシック・コンサートを訪れる観客は、形に残らない一瞬の演奏に「そうそう、この音が聞きたかった!」と感じたいのではないだろうか。最後はスタンディングオベーションとなり、「ブラボー!」の声と長い拍手に送られながら、演奏者のふたりはステージをあとにした。コンサートが終わってもしばらくの間、会場は熱気と興奮に包まれていた。

ソイソース独占!
五嶋みどりさんからのコメント

シアトル訪問はいつも楽しみにしていて、今回の滞在ではあいにく雨に見舞われましたが、それでも十分魅力的で、ユニークな街だと思います。以前に共演したシアトル・シンフォニーとの思い出は今も心に残っています。ミニーホールでは初めての演奏でしたが、楽しかったです。とてもきれいなコンサートホールですね。今年はベートーベンの生誕記念だけではなく、バイオリニストのアイザック・スターン生誕100周年の節目でもあります。仕事を通じて、このようなイベントで偉大な音楽家を讃える機会をいただけて、大変光栄です。

バイオリンは今も毎日練習します。バイオリンを弾いていると頭がすっきりし、心が落ち着くんです。必ずしも長時間練習することが大切なわけではなくて、練習内容の密度こそが大事だと考えています。今回のように仕事で家を離れたり、またはバイオリン指導をしたりと、いろいろな理由で日々のスケジュールは不規則になりますが、練習する時間は必ず確保しています。