日本人ピアニスト2人の協演
ピアノ・フォー・ハンズ・コンサート
日本、アメリカ、ヨーロッパで演奏経験を持ち、現在はシアトル周辺を主な活動拠点とする日本人ピアニストの牧山晴美さん、安東理恵さんのデュオが実現。ライブではめずらしい連弾を聴けるまたとない機会です。
ワシントン大学時代の友人同士で同じ恩師に師事していたという晴美さんと理恵さんが初めてタッグを組み、2月22日のエドモンズにあるカスケーディア美術館でのコンサートに続き、3月14日にはカークランドにあるピアノ店、ステージ・セブン・ピアノーズで連弾を披露する。同店は、ピアニストにとって憧れのスタインウェイ・フルコンサート・グランドピアノ・モデルDが用意された特設ステージのある、ピアノ好きには心躍る場所だ。
連弾はプリモ(上)とセコンド(下)があるが、今回の公演では曲により担当を分けている。最初の曲は、優れた連弾作品を多く遺しているモーツァルトが1787年に完成させた「4手のためのピアノ・ソナタ ハ長調作品521」。太陽のようなエネルギーを感じられる明るい曲だ。ほかにも、チェコ出身のドボルザークの代表曲「スラヴ舞曲」から2曲、そしてフランスの作曲家、ラヴェルが『マザー・グース』を題材にして作曲した「マ・メール・ロワ」を演奏する。
1台のピアノが、2人の4本の手で弾かれることで表現も2倍に広がる。奥行きのある音が楽しめるのは連弾ならではの魅力だろう。音楽好きはもちろん、クラシック音楽にあまりなじみがなくても聴きやすいプログラムとなっている。
話を聞きました!
—ピアニストになるまでの道のりは?
晴美さん:3歳から母とピアノを習い始めました。高校時代にコンクールで金賞を受賞。広島のエリザベト音楽大学を修士課程まで進み、ボストンにあるニューイングランド音楽大学留学で修士号、ワシントン大学で博士号を取得。数々の演奏会、室内楽コンサートに出演し、3月27日にはハーラー・レイク・ミュージック・シリーズにピアノトリオで出演予定です。
理恵さん:3歳からピアノを始め、桐朋学園の音高と音大で学びました。渡米後、ポーランド人ピアニストに3年間師事し、ウエスタン・ワシントン大学、ワシントン大学で修士号と博士号を取得。これまでソロ、オーケストラとの共演ほか、オペラや器楽の伴奏もしました。今年12月に、母校の先輩バイオリニストとの合同リサイタルを控えています。
—今回の演奏曲への思い入れは?
晴美さん:ラヴェルはシンプルだからこそ手の抜きようのない難曲。お互いの手の位置がかなり接近し、工夫が強いられる、演奏しがいのある作品です。ドボルザークは理恵さんお気に入りの作品72第2番ホ短調に、作品46第2番ホ短調をカップリング。「あ、この曲聞いたことがある」と思う方も多いはず。
理恵さん: モーツァルトは大好きな作曲家。「天国的」なフレーズの宝庫です。プリモの晴美さんと合わせると、この曲の良さがますます引き立ちます。ドボルザークもセコンド担当で、哀愁あるプリモを引き立てる演奏を探求中です。
場所:Stage 7 Pianos
12037 124th Ave. NE., Kirkland, WA 98034
料金:一般$20、学生$15(当日:一般$25、学生$20)
問い合わせ:http://stage7pianos.com
チケット・詳細:www.eventbrite.com/e/94061347021