お腹の手当て「チネイザン療法」でデトックス〜シアトルの知恵ノート

シアトルの知恵ノート

知っておくと暮らしが豊かになるヒントを、シアトルで活躍するさまざまな専門家の方に聞きます。

お腹の手当て「チネイザン療法」でデトックス

私たちの体内で毎日休まず働いている臓器をケアすることで、体調や病気の改善が見られるかもしれない!? 本誌連載コラム「あなたの幸せに近づくヒント」（P11）でおなじみの植田詠子さんに、臓器の状態を整えるチネイザン療法について教えてもらいました。

心身の不調の原因はお腹にある？

体と心の健康維持に、睡眠と運動はもちろん重要ですが、人が病気になるのを防ぐ「免疫細胞」も欠かすことができません。免疫細胞が多く集まるのは、腸その他の臓器です。特に腸は、今注目されている臓器のひとつ。腸が汚れていると、腸管免疫や腸内細菌の働きが鈍り、栄養素を取り込めません。それが、病気の引き金にもなることもあります。また、体質にもよりますが、普段から乳製品や肉類をよく摂取する方は腸が硬くなりやすく、ぜん動運動（腸の内容物を移動させる働き）の停滞により老廃物がたまってしまいます。

チネイザン（気内臓療法）は腹部に直接手で触れ、臓器にたまった老廃物を流し出し、内臓を本来あるべき状態に戻すホリスティック療法です。古代中国においてタオ（老荘思想、神仙術、陰陽道を結合した叡知）の老師の間で伝わった、精神と肉体を浄化し、強化するための秘術であり、気功療法のひとつでした。文化大革命が起こり、歴史から消え去ろうとしていた頃にタイ北部のチェンマイへ伝わり、タオの世界的権威である謝明徳老師（マスター・マンタクチャ）が現代医学を取り入れて再生したのが、現在のチネイザン療法の始まりです。臓器そのものを上から押したりもんだりするマッサージとは異なり、各臓器の空間にあるエネルギー場（エネルギーの存在する場所）に働きかけます。

チネイザンの効能

● 臓器のデトックスと機能強化、免疫システムの向上

● 負の感情の解放

● リンパ・血液循環の促進

● 便秘、お通じ、肌荒れの改善

● 胃痛、肩こり、腰痛、生理痛など痛みの緩和

● 生理不順、更年期症状、むくみ、冷えの軽減

● リラクゼーション効果、安心感

お腹と感情の密接な関係

各臓器のエネルギー場はおへそ周りに集中します。そこへ刺激を与えると痛みが走り、同時に過去の記憶が走馬灯のようによみがえると言う人がいます。過去に感じた悲しみや怒りなどの感情が、理由もなく湧いてくることも。

チネイザン療法において、お腹は心の状態を表すと考えられており、内臓のデトックスだけでなく、お腹にためていた負の感情のデトックスにもなります。

感情はエネルギーの源。感情が生まれたら内にため込まず、外に向けて表現（行動）することでエネルギーを昇華させることが大切です。そうすると自然な気の流れができ、お腹も硬くなりません。未消化の感情としてお腹に蓄積されたエネルギーは、気・血・水の流れをブロックしてしまい、やがては病気の原因にもつながります。

未消化の感情によりダメージを受けやすい臓器の例

● 怒り、ストレス、欲求不満 ⇨ 肝臓・胆のう

● 自己否定感、不安、思い煩い ⇨ 脾（膵）臓・胃

● 恐れ、緊張、臆病 ⇨ 腎臓・膀胱・生殖器

● 悲しみ、失望、罪悪感 ⇨ 肺・大腸

● 焦り、多忙、プレッシャー ⇨ 心臓と小腸

臓器に耳を傾け、心の声を聞こう

チネイザン療法の施術でお腹を触ると、その方が長年ため込んできた感情が伝わってきます。お腹の各所には、それまで表現し切れなかった負の感情が残るからです。例外はありますが、日本人のクライアントに共通してお腹に硬さを感じるのは、まず「罪悪感」、その次に「自己否定感」のポイントです。幼少時から積み重なった石のようなしこりは、1回の施術で解放できませんが、3回ほどでかなり柔らかくなります。

筋肉のコリは一度ほぐしてもまた硬くなることがありますが、チネイザン療法で一度解放したお腹の硬さが戻ってくることはありません。お腹は潜在意識と直結していて、さらに深部は女性／男性、または日本人といった、特定の集団意識につながっています。チネイザン療法ではそれらをも表層に浮き上がらせ、解放させます。

硬い、冷たいお腹は、内臓からのSOSサイン。お腹に手を当てて、自分の心の声を聞いてみてください。

※チネイザン療法の効果には個人差があります。女性で避妊具を装着している方や生理中の方は受けられません。持病がある方は前もって相談を。