初心者からベテラン、子どもから高齢者まで約1万人が 加入しているワシントン州のハイキング・登山の団体 取材・文:今井昌子 写真提供:ザ・マウンテニアズ 自然の宝庫、ノースウエストならでは ワシントン州には、レニア、オリンピック山脈、ノースカスケード山脈の3つの国立公園に加え、セントヘレンズ山に代表される国立保護地、9つの国有林、世界規模で保護されている31の原生地、23の野性生物保護区、その他いくつもの国立自然ランドマーク指定地域がある。早い話が極めつけの「自然の宝庫」 なのだ。そのうえトレイルシステムが整っているので、本格的な登山技術がない人でも巨大氷河のすぐ近くまで登って日本では見ることのできない絶景を目の当たりにできるハイカー垂涎の地だ。 一方で、ワシントン州における日本人のハ イカーの数は少ない。「興味があっても行く場所がわからないし、1人で行くのは怖い」「どこから始めていいかわからない」という人もかなりいるのでは? そうした、やってみたいけどわからないという初心者を暖かく受け入れて必要なトレーニング行い、アウトドアライフへの道しるべとなってくれる力強い団体が、今年で創立108年目、州内に1万人以上のメンバーを持つ非営利団体、ザ・マウンテニアズだ。 あらゆるレベルの人が参加できる様々なプログラム 同団体のすごいところは、その門戸の広さ。年会費(大人$75、ファミリー$130、学生$48、シニア$36)を払うだけで、子どもからシニアまで年間何百と提供されるアクティビティに無料参加でき、 高度な技術を習得する専門トレーニング以外はトレーニングも無料で受講できる。マウンテニアズのウェブサイト (www.mountaineers.org)を覗いてみるとプログラムの充実ぶりがわかる。 「Learn」( 学 ぶ )をクリックし 「Course Overviews」(コース内容)を見てみよう。雪崩を回避する技術から始まって、クライミング、ハイキング、バックパッキング、アウトドア・フォトグラフィ、セーリング、カヤック、スキー、スノーボード、スノーシュー、山岳応急手当、地図やGPSの使用 法、リーダーになる訓練にいたるまで、1 5の各分野で様々なコースが提供されている。コー スを終了するとバッジがもらえ、各自のプロフィールサイトにそのアイコンが載るので、 一緒にハイキングに行く人が過去にどのようなトレーニングを受けたかわかって便利だ。 「探検」(Explore)をクリックし「アクティビ ティ」(Find Activities)に行けば、毎週のアク ティビティが目白押し。ここで好きなものを選び、サインアップする。そのアクティビティ をさらにクリックすると、そのトリップの詳 しい情報や難易度、必要装備、リーダーのコン タクト情報などが出てくる。メ ンバーになっ てログインすると、そのトリップに参加する人のリストや過去のトリップレポートまで閲覧できる。メンバーにならなくてもゲストと して3回までトリップに参加できるので、ゲス ト登録して試してみるのもおすすめだ。 ハイキングを通して友だちが増える 地域的には、べリングハム、エベレット、東 ワシントン州、オリンピック半島、シアトル、 タコマ、オリンピアの7つの支部を持っているので、セミナーやトレーニングなどは、各自のエリアで受けられるのが便利。高度な知識を持ったトレーナー、リーダーはすべてボランティアだが、アウトドアに並々ならぬ情熱を持つ人達ばかりで、熱心で面倒見がよい。 トリップ参加者は経験に差こそあれ、大自然の中では仕事を忘れ肩書きを忘れ、みんなが極めてフレンドリーで、何度か参加していると顔見知りが増えて友達のネットワークが広がる。 The Mountaineers Seattle Program Center 7700 Sand Point Way NE, Seattle 問合せ:☎ 206-521-6000 info@mountaineers.org www.mountaineers.org 業務時間:月~金 9am~5pm、水 9am~7pm