アメリカ在住者に向けて日本の介護・お役立ち情報をお届け!
日本の保険について知りたい!
日本には公的介護保険があり、そのほかにも公的医療保険、民間の生命保険会社による各種保険と、実にさまざまな保険がそろい、利用方法もそれぞれ異なります。日本の高齢者は、どんな保険が使えるのでしょうか。その特徴や違いをわかりやすく紹介します。
公的介護保険と民間の介護保険の違いは?
公的介護保険と民間の保険会社の介護保険では、何が違うのでしょう。大きく異なるのは、その「給付形態」です。前者は「現物給付」、後者は「現金給付」となります。
公的介護保険では、要介護認定を受けた利用者の所得に応じて、介護サービスの利用料の1~3割を支払うことで介護サービスが受けられます。それに対し、民間の保険会社の介護保険は、保険規約で定められた要介護状態に該当する場合、契約した保険金が受取人に支払われます。
また、給付が受けられる「要介護度」も異なります。加入条件については、公的介護保険が40歳以上の人を被保険者とした、市区町村が運営する「強制加入の社会保険」である一方、民間の保険会社による介護保険は40歳未満でも契約でき、決まった保険料を払い込むことで、要介護状態になったときに保険金を受け取れます。
母に認知症状が見え始め、
一時帰国中に介護の備えを万全にしたBさんの場合
一時帰国中に介護の備えを万全にしたBさんの場合
アメリカ在住のBさんの両親は、日本で自宅暮らしを続けています。炊事、洗濯などの家事は全て、母親が行っていました。ただ、母親は80歳になった頃、同じことを何度言っても忘れる、鍵の開け閉めができなくなるなど、認知症の初期症状が見え始めました。父親はいら立ちを隠せず、日常生活でイザコザは増えるばかりです。
アメリカ在住のBさんは、毎日のように両親と連絡を取っていたので、ふたりの変化に気付きました。そこで、一時帰国する前から日本の介護の専門家と相談を重ね、準備を進めたのです。そのおかげで、日本へ一時帰国する間に、公的介護保険を通して暮らしに必要なサービスを契約し、民間の安否確認や食事の宅配も依頼、生活資金の管理委託などを含め、1カ月で環境を整えることができました。
何か起こったときには、親の担当ケアマネジャーに連絡しましょう。名前や連絡先がわからなくても、介護サービスを利用する親が住んでいるエリアの地域包括支援センターに問い合わせが可能。担当ケアマネジャーと地域包括支援センターは、必ず覚えておきたい相談先です。
違いがわかりにくい保険の種類
日本に住む場合、「国民皆保険制度」の下、公的医療保険に加入することになります。ただし、勤務先や働き方によって、健康保険(健保)と国民健康保険(国保)のどちらに入るかが変わってきます。
また、民間の保険会社の「傷害保険」と「介護保険」はどのように使えるのでしょう? 傷害保険は損害保険の一種。偶然の事故や災害による死亡・入院などで保険金が支払われます。そして介護保険は、前述の通り、契約時に定めた要介護状態に該当した場合に保険金が支払われるものです。一般的に、その該当者は、以降の保険料の支払いが免除されます。保険プランによって詳細は異なりますので、民間の保険会社に問い合わせてみましょう。
親が日本に住む方々の遠隔介護に携わる仕事をしていると、「高齢になれば心身の衰えは必ずやって来る」ということを痛感します。日本への永久帰国を考えている方も、各種保険やサービスを上手に使って、本人も家族もそれぞれが最善の選択をしていきたいですね。
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