伊勢のおばちゃん あなたのお役割は?
「伊勢のおばちゃん」ことみやざきみわさんが、マヤのツォルキンと神道を融合した統計学である「十三導」を元に、人間関係、子育てから経営まで、様々なお悩みを解決します。
無我通天
無心で努力をすれば、それは必ず報われる。長らく続くパンデミックでつらい状況にあっても、前を向いて頑張っている人たちがたくさんいます。
シアトルの皆さま、こんにちは。旧新年を迎えて少し時間が経ちましたね。不思議なコトに旧新年を迎えると、人の動きが変わるようです。何か実感はありませんでしたか?
さて、私の住む名古屋は緊急事態宣言が長引きまして、その間は外食するにもアルコールは夜7時まで、8時には店がクローズという状況。酒好きなお役割鑑定士の私としては、お酒も飲めないのに外食する気にはなれず……。仕事が夜まで押してお腹がすいても、外で食事を済ませるコトはかなわないため、ほぼ100%、自分でご飯を作る日々となるわけです。私の場合、結果の見える自分飯には心が満たされないばかりかストレスに感じるので、絶賛「コロナデブ」加速中とも付け加えておきます(笑)。
「たまには外食もさせてもらわないと、やっていけない!」と叫びたい人は、とってもとっても多いはず。逆に店側からすれば「お客さんが来てくれないと、やっていけない!」と叫んでいる。そう! 今回は、そんな時代にもめげず、たくましく頑張っている名古屋の焼き鳥店オーナーを紹介したいと思います。
名古屋は「名古屋コーチン」で有名なところ。焼き鳥店、炎のかどまつは1994年に今池店、1999年に名古屋駅店と、好立地の2店舗をオープンしています。オーナーは松本充江さんと言いまして、実は私の高校時代の後輩。私たちの母校は少々特殊で、「ダウンタウンの浜ちゃんが卒業した全寮制の学校」と言えば、おわかりになる方もいるかもしれません(笑)。朝は4時に起床する軍隊並みの生活で知られ、そこで根性を培ったからか知りませんが、見た目はどうにもやり手に見えないし、雄弁にトークするタイプでもないのに、経営は上々。鶏は夜中のうちに運ばれてきて、店でさばくだけあり、よそでは食べられない部位まで食せると大変な人気ぶりです。
なぜ、彼女について書こうかと思ったか? 「先輩、聞いてくださいよ。鳥の足ってあるでしょ? あんなに小さいのに、中にはちゃんと1、2ミリの骨があるんですよ!」と、「炎のかどまつ」というネーミングの店だけあって、彼女は鳥の全てに燃えている。おいしい焼き鳥が好きなだけの私は心の中で「どうでもいい」と思いながら聞いているのですが、延々と鳥さん大好きアピールを続ける彼女はまさに「鳥ちゃんオタク」。とにかく、全国の焼き鳥屋さんに足を運ぶし、自分で鶏を育てるとまで言い出すし、今池店ではもはや「趣味」の究極に珍しいメニューを取りそろえ、お客さんの心をつかんでいます。
そんな彼女の店も、やはりコロナでは大打撃。客が足を運べないのだから当然です。身につまされる気持ちでインタビューをしていたら、ちょうど彼女の電話が鳴りました。どうやら自治体から電話が入り、出前のための屋根付きバイクと真空パック機械の予算が下りたとのこと。急に声のトーンが上がり、うれしそうに報告してくれました。最後に「先輩! なんとしてもなんとしても! 生き抜いていかないかんですよ!」とも。
私の提唱する人間学「13導」では、彼女は7番の「神秘」。人の話に耳を傾ける彼女だからこそ、情報によって立地の良い店舗を確保できるし、自治体からの予算も下りる。常に満足せず追い求める精神は、神秘ならではと痛感します。こんなに無我に精進すれば、きっとそれはいつか、全てつながっていく。このたくましい後輩に心からエールを贈りたいです。