伊勢のおばちゃん あなたのお役割は?
「伊勢のおばちゃん」ことみやざきみわさんが、マヤのツォルキンと神道を融合した統計学である「十三導」を元に、人間関係、子育てから経営まで、様々なお悩みを解決します。
先陣を切る人
先陣を切る人がいてこそ、新しい道がひらける。確かな情報を知って、真っ先に取り入れられる人は、人を救い、世に役立つものを作れる人。新しい時代への変化はそんな人たちがもたらすのかもしれません。
シアトルの皆さま、こんにちは。日本は桜の季節を迎えました。きっとシアトルでも、美しい桜が人を和ませてくれているのではないでしょうか。
最近は特に、情報伝達のスピードに驚くことがあります。日本の情報もシアトルの友人のほうがよく知っていて、恥ずかしい時があるくらい(笑)。ネットの普及で情報が風のように早く広まる今のような時代に変化するとは、60年前の誰もが思ってもみなかったでしょう。良き時代の良きものはそのまま残り、新しく進歩するものは取り入れられていく時代なんでしょうね。
今回ご登場のドクターは、確実に早く情報を取り入れるのが上手な方のようです。私の提唱する人間学「十三導」では1番、先陣を切る「スターター」さんです。何事も最初の一歩はスターターから。才能とも言える資質です。そのご当人、咲くらクリニック院長の小林直隆ドクター(ちなみにこの「隆」が付く人は男前が多い!)は、2003年に愛知県安城市で開業。神戸から三重大医学部に入り、卒業後は東大の医局というすごい経歴! 「誰でも入れるんだよね。大した経歴じゃないんだよ」と言われちゃいましたが、私には無縁な経歴なので、同調には至らず(笑)。
ある日、一緒に食事をしている時、「困難な皮膚を見ると燃える」とのコメントに、それこそ目から炎が飛び出るほどの熱意を感じまして、私は心の中でひそかに「出た! 見つけた! 皮膚科のオタクだ!」と思いました。当然、この「こんな経営者が面白い」シリーズ候補が登場、拍手パチパチとなったわけです。
インタビューさせてもらうと、印象に残る話がありました。「奇跡の薬って呼んでいる薬があるのだよ」って。実はうちの娘も幼い頃にアトピーでかなり苦しんだので、ものすごく腑に落ちました。「ちょっと塗ったり、飲用したりで治る程度の患者さんならいいけれど……」。そう、先生はそういう人をいかに治していくかに自分の役割を見出しているようです。
重度のアトピーの場合、治療による劇的な変化は難しいと思っていました。食事など薬以外で改善したという人もいるようですが、薬に頼るしかないと副作用を気にしなければいけない。試行錯誤を繰り返す人は多かったのではないでしょうか、特にステロイドを塗るしか方法がなかった時代は。それが、その薬を使用すると炎症が治まり、驚くほどの肌によみがえるというのです。かゆみもなく、肌色が劇的に変化し、副作用のない薬だそう。今でこそ多くの病院で使用されていますが、当初は遠方からの来院も少なくなかったとのコト。
「レナードの朝」という新薬処方を題材とする映画を思い出しました。映画では一瞬の夢で終わったけれど、先生のように先陣を切る人が医学には必要なのだと感じます。そして、医者にもセンスは大切なようです。
先生は「自分はまだこれから。目いっぱい仕事と向き合って行くコト、それは人を育てるコトと同じで、とにかく、この仕事が大好きなのだ」と、最後に話してくれました。忙しい人ほど、時間の使い方が上手。釣り道具を持ち、自慢の舟に向かっていそいそと出かけていきました。