今から考える日本への永住帰国
現在はアメリカに住んでいるけれど、いつかは日本に戻りたい! そんなあなたに役立つ知識を、日本帰国支援のエキスパートが提供。
ある日突然、日本にいる家族や親族から「親が倒れた」、「亡くなった」と連絡があったら……? そうしたときに備え、海外在住の方は何をすべきでしょうか。日本に兄弟姉妹や近しい親族がいれば、葬儀などの緊急の手続きはお願いできますが、もしいなければ何らかの方法で手続きが進むよう、事前に準備しておく必要があります。兄弟姉妹がいた場合でも、相続などの手続きについては任せきりというわけにはいきません。
親が亡くなったあとの主な手続き
一般的に必要な手続きについては以下の通りです。期限、手続きを行う窓口と共に一覧表にしてあります。
上記のほかにも、人によって医療機関や高齢者施設の料金精算、ペットの引き取り、遺品整理などの手続きが必要となります。記載した期限は原則的なもので、過ぎても特に問題はありません。ただし、税金など債務に関わるものは金利や延滞金が発生しますのでご注意ください。⑨、⑩については、資産総額により手続きが不要のケースも。詳しくは専門家へお問い合わせください。
なお、相続人自身のほか、代理人、専門(家)業者でも各手続きが可能です。専門業者については、弁護士、司法書士、税理士、行政書士、社会保険労務士など、手続きによって資格者が異なります。
海外在住者が留意しておくべきこと
1 コロナ下での来日手続き
来日が必要かどうかは個々の状況によります。日本に兄弟姉妹などがいれば必要ないかもしれません。来日に際し、米国籍を取得した人の場合、コロナ下では日本領事館へ事情を説明して、ビザ発給の申請を行います(2022年6月時点)。ただし、日本国籍をまだ放棄していない人は、放棄後でないと発給されない場合があります。この手続きには現在、2カ月前後かかるようです。
2 相続手続き
相続手続きでは、遺産分割協議書の作成や金融機関(銀行、証券会社など)の口座解約が必要となります。いずれも金銭に関わるものなので、相続人の身分証明、本人確認作業が発生します。日本では戸籍謄本での身分証明、実印の印鑑証明による本人確認が可能ですが、日本に住民票のない海外在住者はそれができません。そのため、サイン証明書や宣誓供述書などの書類提出が求められます。日本にも相続人(兄弟姉妹など)がいると、共同署名(同一文書への署名)など書類の郵送または来日しての署名手続きが必要です。こうした手続きにかかる手間や時間をセーブするためにも、あらかじめ書類の入手方法を確認しておくと良いでしょう。
3 相(争)続への不安
相続時、遺産分割に関わる親族間の揉め事は少なからず発生しているのが現状で、当社にも時々相談があります。
「こちら(海外)の目の届かないことを良いことに、親の面倒を見ている兄弟姉妹が親のお金を使い込んでいるようだ」という人がいる一方で、「長年海外居住で親の面倒を見てもらっている手前、兄弟姉妹に負い目を感じていて主張がしづらい」という状況に悩んでいる人もいます。
結論から言えば、主張すべきは主張したほうが良いのです。相続人全員で協議する機会を設けましょう。自らも日本の相続に関する知識を習得し、必要に応じて相談可能な専門家を日本側に見つけておくと安心です。相続の専門家と聞くと、弁護士や司法書士をイメージするかもしれませんが、実際に争議が発生するなどの深刻な状況でなければ、費用の面からも手軽な法テラス(www.houterasu.or.jp)を始めとする電話相談や、相続に強いFP(ファイナンシャルプランナー)からも適切なアドバイスをもらえます。
時間的制約のある手続きは特に、親が亡くなってからあわてて対応しても遅いということになりかねません。スムーズに事が進むよう、日頃から準備しておくと良いでしょう。さらに詳しく知りたい方は上記の無料オンライン・セミナーへご参加ください。
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