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『遠隔介護ハンドブック』

日本に住む家族の介護をする海外生活者のための本『遠隔介護ハンドブック』の出版にかかる費用を現在クラウドファンディングで募集している。筆者であるシアトル在住のソーシャルワーカーの角谷紀誉子さんとビジネス・コーチの森山陽子さんにお話を聞いた。

遠隔介護ハンドブック 角谷紀誉子・森山陽子(共著) 元気にしていた親が急に倒れた、親はひとり暮らしで頼れる人が周りにいない、病気の父を介護する高齢の母が心配、親の死後「もっとこうしてあげればよかった」と後悔する…などの状況は、海外に住む人なら誰もが心配するのではないでしょうか。

私は日本を離れて久しいため、介護保険そのものを知らなかったし、施設というと老人ホームしか思いつきませんでした。そんなところからインターネットでリサーチを始めたのですが、介護や施設などは同じような漢字がずらっと並んでいて分かりにくい上、自分の親のこととなると、気分はどんどん落ち込んでいきました。

そこで、日本の親の老い支度からいざという時のことまで書かれている本があればきっと海外生活者の役に立つと思ったのが、この本を書くきっかけでした。

読みやすく使いやすい本にするために、「自分の親に何ができるか」という視点から読んでいただけるようケーススタディの章を設けて、それぞれの状況でどのようなサービスや施設があるのかを説明しています。

「知は力なり」で、知ることによって不安が減らせます。日本の介護サービスも高齢者住宅も本当に様々なものがあります。それらの知識を得ることで、一時帰国の際にするべきことの計画が立てやすくなったり、日本の家族と介護や相続などの話をする時に、知らないがために気後れしたり不安感を持ったりすることを避けられます。このような話を家族とするのは難しいものです。「家族とのコミュニケーション」の章では、具体的にどんな言い方をしたら揉めないかを紹介しています。

介護はまだ必要ないという方でも、今からできることを少しずつやっておくことで介護予防にもなり、介護帰国や介護離職を少しでも回避できます。海外からできる親孝行例も挙げていますので、後悔しない親子関係を築いていただけたら嬉しいです。

この本を少しでも多くの方に読んでいただきたいのと、介護保険は3年ごとに改定されるため改訂版を作りたい、という思いからクラウドファンディングで出版費用を募ることにいたしました。電子書籍ではどうか? という声もありましたが、今この本を必要とされている読者の方は紙の書籍を好まれるはずと思い、まずは紙の書籍を作ることにしました。

Generosity.comというクラウドファンディングのサイトを利用しています。そのサイトで「遠隔介護」と検索していただけば他にも情報がありますので、出版支援のほど、よろしくお願いいたします。

ウェブサイト:www.enkakukaigo.com
角谷紀誉子・森山陽子(共著)