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ろう染めワークショップ・着物デモンストレーション

取材・文:井原千秋 写真:越宮照代

4月30日インターナショナルディストリクトのKOBOギャラリーで、京都在住のろうけつ染色工芸家の細田あずみさんによるろう染めワークショップと、着付け講師の鵜川有さんによる着物プレゼンテーションが行われた。今回のコラボレーションはキモノアート(KIMONO ART)の香山真理子さんが企画し、実現したものだ。
ワークショップでは、布製コースター、ハンカチ、和紙を使ったろう染めが体験できるとあって大盛況。会場を提供したKOBOギャラリーによると、用意していた50人分のコースターがなくなってしまったそうだ。私も和紙にろう染めをしてみたが、初体験だったせいもありロウが固まるのが思いがけず早くて難しく感じられたが、それでもカラフルな染料を塗るのはとても楽しく、もっと時間があったらと思ったほど。

▲︎ろう染めワークショップを楽しむ人たち
▲︎ろう染めワークショップを楽しむ人たち

細田さんはアジア以外の外国でこうしたイベントをするのは初めてだそうで、「みなさん熱心で染色に興味のある方が多いですね。ちゃんとろう染めについて勉強して来た方々が多くて驚きました」と参加者の染色に対する関心の高さに驚いた様子。
この日は着物を来て参加しているアメリカ人の女性が何人かいた。その1人の、着物を約100枚持っているというアマンダ・サーノスキーさんは細田さんの作品について「こんな素晴らしい着物を間近に見ることができて嬉しい。はるばる日本から来てもらって本当に感謝の気持ちでいっぱい」と興奮気味に語った。

▲︎帯を取り替えるデモンストレーションを行う鵜川有さん(右)
▲︎帯を取り替えるデモンストレーションを行う鵜川有さん右

プライベートレセプションでは細田さんの作品のひとつ、クロコダイルの着物を着たワシントン大学音楽科准教授のクリスティーナ・サナーディさんをモデルに、鵜川有さんが観客の前で帯を変えるデモンストレーションを行った。鵜川さんは大きな銀色の帯をてきぱきとした手つきで丁寧に結んで行った。出来上がると、固唾をのんで見守っていた人々から歓声があがった。帯でイメージが変わることもさることながら、黒人女性にとてもよく着物が似合っているのに感心させられた。

▲︎自作について解説する細田あずみさん(右)
▲︎自作について解説する細田あずみさん右

細田あずみさんの作品展は5月14日(土)までKOBOギャラリー(604 S. Jackson St., Seattle)で開催されている。