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道で転んだ話

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道で転んだ話

kega_boy-min つい最近、道を歩いていて転んでしまった。歩道の脇を横切って駐車場から斜めに近道をしようとしたのだが、歩道の角につまづいて、その拍子にバランスを崩し、その後はほとんど何が起こったのか記憶にない。気がついたら駐車場に倒れこんでいた。倒れた拍子に目の前に駐車していた車で顔を打ち、道路で膝を打ち、すりむき、太ももを打ち、両腕を打った。いったいどんな倒れ方をしたら、そこまでいろんなところを打ち付けることになるのか、我ながら不思議でならない。あまりの痛さに、それを耐えようと転んだ状態でじっとしていると、通りかかった女性が「大丈夫ですか」と言って起こそうとしてくれる。実のところ、痛みが少し治まるまでそっとしておいて欲しかった。しかし、せっかく親切に助けてくれているのに「放っておいて」とも言えず、起き上がった。「大丈夫ですか」と繰り返されて内心「大丈夫なわけないだろ!」と思いつつ「大丈夫です」とかろうじて答えた。日本人は、死にかけていても、他人に気遣うのかもしれないと、この時思った。
(心底日本人/シアトル)

胃は日本が恋しい

「男を落とすには、まず胃袋を掴め」という言葉がある。そんなことはないだろうと思っていたけれど、アメリカに来てその言葉の重みを感じ始めている。まさか、自分が掴まれるとは思っていなかった。アメリカに来て早4月、少し成長しただろうかとか、英語は上達しているのかとか、色々と振り返ることがある。ふと、こっちで食べたもので何がおいしかったかを思い返してみた。すき焼き、ラーメン、寿司、天ぷら、すべて見事に日本食だった(ラーメンが日本食であるかどうかは議論の余地があるものの)。確かに、自分が日本を恋しくなるタイミングにはいつも「食」が関わっている気がする。居酒屋に行きたい、焼き鳥が食べたい、アメリカのパンって密度高すぎてお腹一杯になるよね?
などなど。これはきっと、自分の胃袋がすっかり日本に掴まれてしまっているということなのだろう。遠距離とはいえ、自分は今でも日本にメロメロなのだ。
このところ日本は外国から観光客を増やすことに力をいれている。クールジャパンや観光名所も良いけれど、まずは外国人の胃袋を食で掴むというのはどうだろうか。きっとそれで日本に恋する人たちも増えるはず。まずは、シアトルのラーメンや寿司をもっと庶民的な値段にするところから始めて欲しいものだ。
(ゆず塩らーめん特盛/シアトル)