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百聞は一見に如かず〜みんなの広場

百聞は一見に如かず

留学生としてシアトルに来てから約2カ月が経った。カルチャーショックは幾多もあるが、良い意味で自分の考えが覆されたことがある。留学に来る前、アメリカの人は主張が強く、自分の主義を無理にでも貫こうとする利己的な性格なのだろうという偏見があった。しかし、それは大きな間違いだったのかもしれないと思えたきっかけをいくつか紹介したい。

たとえば、信号のない道路を渡る時は多くの車が止まってくれ、先に渡るよう促されることが多々ある。こういう時、アメリカの人は歩行者にお構いなしにハイスピードで駆け抜けるのだろうと思っていた。ほかにも、バスに乗り遅れ追いかけて来る人に気付くと、運転手が気前よく止まって待つという光景もよく見る。自分の偏見とは裏腹に、この国は助け合いの精神に満ちあふれていると感じる。

このように偏見が覆された日本人は私だけではない。日本からシアトルに来て2年が経つ知人に話を聞くと、私と同様にアメリカの人の優しさに驚かされたことがあるのだそう。その知人はシアトルに来た当初、右も左もわからない状態だったが、それを見かねた近隣の人々がおすすめのスーパー・マーケットやごみの出し方を始めとする地域のルールや情報を丁寧に教えてくれたそうだ。その知人は、日本にいた時は近所の人とのつながりを感じることが少なかったこともあって、シアトルでの助け合いの精神に感服している様子だった。

「百聞は一見に如かず」ということわざがあるが、この経験はまさにそれだ。これからこの異国での生活で、良くも悪くも自分の考えが覆される場面に遭遇するだろうが、これも留学の醍醐味であろう。

(T.I / シアトル)

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